売上・利益改善が鮮明 タイヤ4社の非タイヤ部門

2021年12月06日

ゴムタイムス社

 タイヤ4社の21年12月期第3四半期の非タイヤ部門については、ブリヂストンは多角化・化工品事業は調整後営業利益が減益になった。住友ゴム工業や横浜ゴム、TOYO TIREの非タイヤ事業も前年同期から売上・利益とも増加した。
 ◆ブリヂストン
 化工品事業、スポーツ・サイクル事業、米州多角化事業からなる多角化事業は、売上収益が2635億円、調整後営業利益がマイナス54億円となった。化工品事業の売上収益は1768億円、調整後営業利益はマイナス111億円、スポーツ・サイクル事業の売上収益は555億円、調整後営業利益は20億円、米州多角化事業(空気バネ)の売上収益は289億円、調整後営業利益は36億円となった。このうち、化工品事業では11月11日にコンベヤベルト事業を2024年末に撤退することを発表。タイヤ・多角化・内製を含めて全事業で事業再編を進めていく。
 ◆住友ゴム工業
 非タイヤ事業は、スポーツ事業と産業品他事業で構成されている。第3四半期の両部門合計の業績は、売上収益が1051億円で前年同期比33%増、事業利益は88億円(前年同期は1億円の利益)となった。このうち、スポーツ事業の売上収益は761億200万円で同52・8%増、事業利益は71億6400万円(前年同期は18億6100万円の損失)となった。ゴルフ用品はコロナに伴う市場縮小に反転が見られたほか、ゴルフ場の利用者数増加もあり、主要各市場を中心に販売を伸ばした。また、テニス用品も同様に、売上収益は前年同期を上回った。
 産業品他事業の売上収益は290億2200万円で同1・4%減、事業利益は15億7700万円で同22・4%減。インフラ系商材での大型物件が減少した一方、医療用精密ゴム部品やOA機器用精密ゴム部品は受注増加による販売増となり、ほぼ前年並みとなった。
 ◆横浜ゴム
 非タイヤ事業は、MBとATGから成る。第3四半期の両部門合計の業績は、売上収益が1364億円で前年同期比31%増、事業利益は138億円で同66%増だった。
 MB部門は、売上収益が596億9200万円で同4・2%増、事業利益は26億4900万円で同24・3%増。なお、非継続事業となったハマタイト事業の売上収益は145億1000万円、事業利益は7億500万円となった。
 ホース配管事業は、市況の回復で建機向けホース販売が好調で、売上収益は前年同期を上回った。工業資材事業は、コンベヤベルトの国内販売は好調だったのに対し、海洋商品での大型補用品プロジェクトの延期などで売上収益は前年同期を下回った。航空部品事業は民間航空機向けの需要減退の影響が大きく、売上収益は前年同期を下回った。
 ATG(アライアンスタイヤグループ)の売上収益は767億1600万円で同61・9%増、事業利益は111億9400万円で同79・6%増。農業機械用・産業車両用タイヤをはじめとするオフハイウェイタイヤはともに好調で、売上収益、事業利益は前年同期を上回り、過去最高となった。

 ◆TOYO TIRE

 非タイヤ部門は、化工品事業と硬質ウレタン事業の譲渡に伴い、自動車部品事業へ名称変更した。
 第3四半期の自動車部品事業の売上高は288億1600万円で同10・4%増、営業損失は 14億9700万円(前年同期は19億8000万円の損失)となった。自動車用部品は、半導体不足による自動車メーカーの減産の影響を受けたものの、売上高は前年同期を上回ったほか、営業損失も損失額は前年同期から縮小した。 

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