独ランクセスは10月19日、ハロゲンフリーで難燃性を備えたコンパウンド「デュレタンBKV30FN34」と「ポカンTFN4230」を発表した。
ハロゲンフリーで難燃性を備えた「デュレタンBKV30FN34」は、安全上の理由から、家庭用電化製品の規格(グローワイヤ最終製品テスト)の厳格な条件および要件に準拠して最終製品のグローワイヤ試験を希望するユーザーを主な対象としている。ハイパフォーマンスマテリアルズ(HPM)ビジネスユニットの難燃性プラスチックの専門家であるアレクサンダー・ラデック氏は、「このポリアミド6コンパウンドは、高い難燃性を備えているため、安全性が非常に高くなっている。これにより、コンポーネントの幾何学的なデザインの自由度が高まる」と述べている。この新しいポリアミド6のグローワイヤ耐性は、すでにドイツ電気工学・電子工学・情報技術協会により、肉厚0・4~3・0mmでのグローワイヤ着火温度(GWIT)の値が775°Cと認定されている。
「ポカンTFN4230」は、PBT+PET(ポリブチレン/ポリエチレンテレフタレート)ブレンドはすでに一連の用途で使用されており、VDEによってGWIT値775°C(0・4~3・0mm)の認定を受けている。この素材は、高い耐トラッキング性だけでなく、優れた寸法安定性も備えている。
マーケティングリサーチ企業が行った調査によると、2020年の技術消費財の売上は増加しており、家電製品の需要も堅調に推移している。家電製品のコンポーネント用に国際的な耐火性規格IEC/EN 60335―1を満たす難燃性プラスチックの需要が高まっている。同社は難燃性コンパウンドの製品群を拡充し、この規格に基づいて実施されるグローワイヤ試験において高い難燃性を発揮する素材バリエーションの提供を可能にした。
ラデック氏は、「これら2つのコンパウンドが家電製品のハウジング、マイクロスイッチ、コネクターなどに使われることを期待している。また、電気自動車のさまざまな電気・電子コンポーネント、特にバッテリーの充電システムにも大きな可能性があると考えている」と述べている。