ランクセスは10月19日、ハロゲンフリーの難燃性ガラス繊維強化ポリアミド6コンパウンドの製品群を拡充し、「デュレタンBKV30FN01」および「デュレタンBKV30FN04 DUS064」を追加すると発表した。
両製品とも耐火性に優れた要件を持つ厚肉コンポーネント用に設計されており、電動工具、家電製品、産業機器などの用途が考えられる。同社の難燃性プラスチックの専門家であるアレクサンダー・ラデック氏は、「これらの構造素材は、厚肉のバッテリーカバーや充電プラグ、および関連するコネクターホルダーなど、エレクトロモビリティとその周辺分野においても優れた可能性を秘めている」と述べている。
同製品は、すでに難燃性コンポーネントの量産に成功している「デュレタンBKV30FN04」から生まれたもので、このコンパウンドは、米国安全検査規格であるUL94社の燃焼性テストの要件を満たし、厚さ0・4mmの試験片でV―0という優れた評価を得ている。
V―0に分類されるためには、肉厚が薄いほどコンパウンドにはより多くの難燃剤が必要となる。しかし、高度な難燃性を必要とするコンポーネントの多くは0・4mmよりもはるかに厚いため、難燃剤の添加量が少ないコンパウンドでも、十分な難燃性を備えたものを製造することができる。
「デュレタンBKV30FN01」および「デュレタンBKV30FN04 DUS064」は、肉厚が0・75~1・5mm以上のコンポーネント用に特別に設計されている。UL V―0に分類されたコンパウンドの厚さは、0・75mm(「デュレタンBKV30FN01」)と1・5mm(「デュレタンBKV30FN04 DUS064」)となっている。「特別に最適化された難燃剤パッケージにより、これらの素材タイプは射出成形時に優れた加工性を発揮する。また、大きな平面形状のコンポーネントであっても、高品質な表面を実現することができる」と、ラデック氏は述べている。
今後、同社は「デュレタンBKV FN」製品群を拡充させ、厚肉コンポーネント用の非常に流動性の高いバリエーションを増やすことを計画している。