帝人は10月19日、同社のグループ会社で、高耐熱熱硬化プリプレグを製造・販売する米国のRenegade Materials Corporation(レネゲード社)が、生産設備の増設により、高耐熱プリプレグの生産能力を約2・5倍へと増強すると発表した。同生産設備は、2022年1月より商業生産を開始する。
レネゲード社は、1993年創立の樹脂メーカーを母体として2007年に設立された航空・宇宙用途向け高耐熱熱硬化プリプレグメーカーで、耐熱性樹脂に関する豊富なノウハウを有している。中でも、低毒性原料によるポリイミド樹脂を用いて高耐熱性および熱サイクル耐性に優れるプリプレグを製造できることから、欧米をはじめとする航空機メーカーや航空機用エンジンの関連メーカーなどから高い信頼と採用実績を得ている。
こうした中でレネゲード社の高耐熱熱硬化プリプレグは、航空機用途でのさらなる需要拡大が見込まれており、レネゲード社の製品でしか対応することができない、使用温度が極めて高い航空機のエンジン部品を中心に、引き続き採用が拡大している。
レネゲード社は、こうした需要拡大への対応力強化や産業用途への拡大展開を目的として、2019年12月に生産増強を決定し、先ごろ増設設備が完成した。現在実施している試運転を経て、2022年1月より商業生産を開始する予定となっている。
なお、同社グループは、今年10月19日から21日の間、米国テキサス州ダラスで開催される複合材料と最先端技術に関する展示会「The Composites and Advanced Materials Expo(CAMX)」に出展することとしており、グループ共同ブースにレネゲード社の高耐熱熱硬化プリプレグを出展する。
同社グループは、今後、炭素繊維製品の開発をさらに強化し、革新的な高性能材料およびソリューションを提供することで、長期ビジョンである「未来の社会を支える会社」を目指していくとしている。