川口化学工業の2021年11月期第3四半期の連結決算は、売上高が57億6300万円で前期比20・7%増、営業利益は3億4600万円で同562・9%増、経常利益は3億4800万円で同658・4%増、当期純利益は2億5900万円で同668・3%増となった。
化学工業薬品事業の売上高は57億3500万円で同20・8%増、セグメント利益は3億2300万円で同1000・8%増となった。
ゴム薬品の売上は34億6100万円で同32・8%増となった。国内の工業用品向け薬品は、国内自動車生産及び販売、海外市況が堅調に回復し、自動車関連産業の世界的な半導体不足による減産影響が懸念されたが、第3四半期では大きな影響を受けることなく推移した。また、品質・技術に優位性を持つ医療用ゴム用途製品に注力し販売を伸ばした。その結果、国内全体では前年同期を上回る売上となった。タイヤ向け薬品は、輸出向けタイヤ生産及び国内自動車生産の回復により顧客の稼働が堅調に推移し、前年同期を上回る売上となった。合成ゴム向け薬品は、国内自動車生産、国内タイヤ生産の回復により全体では売上が前年同期を上回った。海外向けは、新型コロナウイルス感染症の影響からの経済回復が顕著な中国市場における中国子会社での大幅な増販をはじめ、東南アジア諸国での市況回復が鮮明となった。また、海外においても品質・技術に優位性を持つ医療用ゴム用途製品に注力し販売を伸ばした。
樹脂薬品部門の売上は6億900万円で同17・2%増。国内向けは、主要顧客であるアクリル酸・アクリル酸エステルの生産は回復基調となり、同社主要製品において激しい海外品との競合により売上が前年同期を下回る一方、他の同社主要製品の販売が増加した。海外向けは、同社主要製品の販売が回復、更には電子材料関連への積極的な拡販活動を展開した結果、売上は前年同期を上回った。
2021年11月期の通期予想は、売上高が76億5000万円で同15・4%増、営業利益は3億5000万円で同332・7%増、経常利益は3億5000万円で同322・1%増、当期純利益は2億6000万円で同338・1%増を見込んでいる。