住友化学は10月21日、2021年11月から、温室効果ガス(GHG)排出削減に向けた取り組みの一環として、大分工場(大分県大分市)において外部から購入する電力を100%再生可能エネルギー由来へ切り替えることを発表した。これにより、同工場から排出されるCO2は13年度比で約20%削減される。
また、同工場では、構内で使用するエネルギー源の燃料を、重油からCO2排出係数の低い都市ガスに転換し、その効果を最大限に生かすべくプラント運転条件の最適化に取り組んでおり、合計で約30%(同年度比)のGHG排出量の削減を実現する。
同社大分工場では、農業化学品、医薬品の原薬および中間体、タイヤ用接着剤の原料として使用されるレゾルシンをはじめとするファインケミカルを中心に製造している。近年は、環境負荷低減、エネルギー消費原単位の改善などの従来からの取り組みに加えて、燃料と電力について排出量の削減を検討してきた。引き続き、安全・安定操業の維持と競争力の向上に努めながら、購入電力の100%再生可能エネルギー化により、生産活動の中で発生する排出量を抑えるという製造業としての責務を果たしていく。
同社グループは、18年10月、30年度までに排出量を13年度比で30%削減する目標について、SBTイニシアチブの認定を取得し、その達成に向けてさまざまな取り組みを進めている。排出量について、13年度実績の954万tに対し、20年度までに212万t(22%)を削減したほか、愛媛工場内における液化天然ガス(LNG)発電所の建設や千葉工場での高効率なガスタービン発電設備の導入に続く今回の決定により、さらなる上積みを見込んでいる。現在、日本政府が表明した排出量46%削減も視野に、排出量削減目標の引き上げを検討しており、21年内を目途に公表予定といている。
同社グループは、「事業活動を通じて人類社会の発展に貢献する」を経営理念に掲げている。引き続きグループを挙げて、気候変動問題をはじめとする社会課題の解決に積極的に取り組んでいくとしている。