デンカは10月22日、同社が新型コロナウイルス抗原迅速診断キット「クイックナビ―COVID19 Ag」の米国展開に向けて準備を進めてきた中、提携先のXtrava Health社が10月12日に米国食品医薬品局(FDA)より緊急使用許可を取得したと発表した。米国市場では製品「SPERA COVID19 Ag Test」として、11月からXtrava Health社を通じて医療機関向けに販売される。
FDAガイダンスに基づき独立医療機関で実施された臨床試験では、「SPERA COVID―19 Ag Test」は15分以内に新型コロナウイルス抗原の有無を検出し、検査感度92%、特異度97%と高い検出精度を持つことが確認された。また、NIHからの助成のもと、エモリー大学、ジョージア工科大学、アトランタ小児医療センターと共同で実施した研究では、デルタ株、ラムダ株、ミュー株などの主要な変異株との反応も確認された。
現在、世界各国でデルタ株等の変異株による新規感染者が継続して確認されており、米国では介護・教育施設や自宅等での検査体制の拡充や、インフルエンザウイルスとの同時流行に備えた検査システムの研究開発が推奨されている。同社は引き続きXtrava Health社と連携し、抗原迅速診断キットと、Xtrava Health社が開発中のリーダーで診断キットの結果を読み取るコンパニオン・デジタル・テスト・プラットフォームを組み合わせることで、感度や使い勝手、検査精度向上を図り、OTC市場への導入を目指していく。
同社はさらに、今年8月に日本国内で販売を開始した新型コロナウイルスとインフルエンザウイルスを1つのデバイスで10分以内に同時判定する抗原迅速診断キット「クイックナビ―Flu+COVID19 Ag」についても、米国市場への供給を目指してXtrava Health社との連携を強化し開発を進めていく。同時に、アジアなど他海外地域においても、各国の薬事申請手続きを踏まえ新型コロナウイルス抗原検査キットの供給を進めていくとしている。