プラチナ大賞優秀賞を受賞 三菱ケミの資源循環実証事業

2021年10月26日

ゴムタイムス社

 三菱ケミカルホールディングスとその事業会社である三菱ケミカル(以下「同社」)は10月25日、プラチナ構想ネットワーク及びプラチナ大賞運営委員会が主催する第9回プラチナ大賞において、同社が取り組む「生分解性樹脂BioPBSと地域資源を用いた循環型社会の構築」が、優秀賞(グリーン技術革新賞)を受賞したことを発表した。

 同社では、プラスチック廃棄物の増加、海洋プラスチックごみ問題や地球温暖化という環境問題の解決に通ずるひとつの手段として、生分解性樹脂BioPBSの開発を進めてきた。BioPBSは、土壌中の微生物によって水と二酸化炭素に完全に分解することが可能であることから、プラスチック廃棄物削減に貢献でき、また植物由来の原料を使用しているため、二酸化炭素の排出量削減に寄与できる素材となっている。

 同社は、2020年から八ヶ岳エリアでBioPBSを起点とする循環型社会形成のプロジェクトを実施している。具体的には、BioPBSを使用した紙コップ、ストロー、カトラリー等について、使用後の製品を八ヶ岳中央農業実践大学校でコンポスト処理(堆肥化)し、出来た堆肥を協力農家での野菜栽培に使用するという資源循環の実証事業を行っている。さらに、この循環システムで出来た野菜を「サステイナブル野菜」とブランド化し、同社関係会社のカフェで提供されるメニューに使用することで、消費者がプラスチックごみ問題について考えるきっかけを与える活動も行っている。良質で美味しい八ヶ岳産の野菜を食べてもらうことで、八ヶ岳野菜の価値向上と地域活性に繋がることも期待されている。また、生産野菜をこども食堂(自治体などが主体となり、子どもたちに食事を提供するコミュニティ)へ寄贈する活動も積極的に行っており、コロナ禍での地域密着型社会貢献にも取り組んでいる。

 同プロジェクトは今回、地域活性化にも貢献する資源循環の取り組みとして評価され、優秀賞(グリーン技術革新賞)を受賞した。三菱ケミカルホールディングスグループでは、今後も地域と連携しながら、資源循環システムの構築を目指していくとしている。

 

循環型社会形成のプロジェクト

循環型社会形成のプロジェクト

 

技術セミナーのご案内

ゴムタイムス主催セミナー