島津製作所は10月20日、2020年1月に導入した「IoT技術を活用した廃プラスチック回収システム」により、環境省が主催する令和3年度「循環型社会形成推進功労者環境大臣表彰」を受賞したと発表した。
同表彰は、循環型社会の形成を推進することを目的に環境省が2006年に設けたもので、廃棄物の発生量の抑制(リデュース)、再使用(リユース)、再生利用(リサイクル)の3Rの適切な推進に顕著な功績があった個人、企業、団体を表彰し、その功績をたたえる。
同社は、同システムにより廃プラスチックの回収運搬時のCO2排出量2割削減と、プラスチックリサイクル率の向上を実現したことを評価された。
「IoT技術を活用した廃プラスチック回収システム」では、同社や協力企業の各事業所に設置したIoTセンサーにより、廃プラスチックの集積量を測定してWeb上で監視する。集積が一定量を超えると廃棄物業者にアラートが発せられ、一度の回収車の出動で複数事業所を巡回する。各事業所での人による集積量確認作業も不要になり、廃プラスチックの管理業務・作業効率が向上した。
以前は各事業所が個別に廃棄物業者に回収を依頼していたため、各事業所と処分場間を運搬車両が個別往来していた。同システムで複数事業所を効率よく巡回回収する仕組みができ、車両の走行距離が短くなり、CO2排出量も削減された。リサイクルできる廃プラスチックが少量のため止む無く他の雑ゴミと焼却処分していた事業所も、共同回収で一定の積載量に含めることができ、リサイクルルートに容易に載せることが可能となり、全体のリサイクル率も向上した。
同社は、科学技術を通じて脱炭素・循環型社会の構築に向けたイノベーションを促進している。今後も環境保全と事業活動を調和させることにより、持続可能な社会の実現と事業の発展を目指していくとしている。