ニチリンは9月30日、同日開催の取締役会において中国連結子会社である上海日輪汽車配件有限公司(SNA)を解散し、清算することを決議したと発表した。
SNAは1996年12月3日に設立して以降、その業容は拡大し、受注拡大に向けた生産能力の強化も必要となった。ただ、設立から20年以上が経過し、所在地の都市化も進み、上海市土地利用計画に基づくSNAの移転問題や環境問題に対応すべく、同社はSNAの事業について江蘇省常熟市に設立した新会社「蘇州日輪汽車部件有限公司」(2017年12月19日設立)への完全移管を進め、2019年12月31日に生産移管、2020年6月30日に商権移管を完了し、事業移管を終えた。
その後、同社はSNAの解散・清算に向けた準備を進めてきた。今回、SNAの主要な保有資産である旧五星路工場に対して、当局から正式な土地徴収令が発布(2021年6月28日)され、当局との補償金額交渉が合意に至ったことより、正式にSNAの解散・清算を決議した。今後は、現地の法律に従い必要な手続きが完了次第、清算結了となる。
同社は、従業員との労働契約の合意解除(2019年6月28日合意済)に伴う経済補償金として、2019年度に特別損失3900万中国元(約6・1億円)を計上するなど、事業移管に伴う費用については、既に処理している。
なお、主要な保有資産である旧五星路工場の当局からの補償金額の合意に伴い、特別利益の発生が見込まれる。同社は、当該特別利益の詳細について、別途「中国連結子会社の固定資産の譲渡に伴う特別利益の計上に関するお知らせ」にて開示している。