帝人の2022年3月期第2四半期連結決算は、売上高が4533億8500万円で前年同期比15・0%増、営業利益は314億6100万円で同1・2%増、経常利益は326億2100万円で同8・0%増、四半期純利益は215億7000万円で同34・8%増となった。
売上高は各セグメントでの経済回復に伴う販売増に加え、マテリアルでの原料価格高騰に対応した販売価格改定などもあり大幅増収となった。これによりコロナ影響前の2019年度上期実績を上回る結果となった。
営業利益は、繊維・製品で医療用防護具(ガウンなど)の官需が収束した影響はあったが、糖尿病治療薬を含め販売が好調であったヘルスケアの貢献や、自動車・航空機用途を中心としたマテリアルの販売増や販売価格改定効果などで、前年並みの水準を確保した。
セグメント別では、マテリアル事業の売上高は、1908億2000万円で同51・0%増、営業利益は32億7800万円で(前年同期は5億4600万円の損失)となった。コロナ影響からの需要回復で自動車用途や航空機用途を中心に全事業分野で販売量が増加した。樹脂については、アセアン地域でのコロナ影響や半導体不足の影響を受けたが、経済回復に伴い販売量は増加した。BPAなどの原料価格高騰影響を受けて、販売価格改定を進めた。複合成形材料では、米国自動車市場でSUV・ピックアップトラックにも半導体不足影響が波及し、OEMの生産停止影響を受けた。
繊維・製品事業の売上高は1349億8600万円で15・6%減、営業利益は35億7500万円で同71・8%減となった。産業資材分野では、自動車関連部材、インフラ補強材、電子部品向け化成品、水処理フィルター・人工皮革向けポリエステル短繊維は好調を維持。一方、期後半で、半導体不足の影響があった。また、衣料繊維分野では、欧米や中国向けの販売は回復傾向であった一方、国内向け販売は消費低迷や海外工場のロックダウンにより、全般的に苦戦した。
2022年3月期通期業績予想については変更はなく、売上高は9000億円で前期比7・6%増、営業利益は600億円で同9・2%増、経常利益は600億円で同11・8%増、当期純利益は350億円(前年同期は66億6200万円の損失)を見込んでいる。
2021年11月10日