ユニチカの22年3月期第2四半期連結決算は、売上高が555億1400万円、営業利益は33億9200万円で前年同期比21・2%増、経常利益は29億2200万円で同81・4%増、親会社株主に帰属する当期純利益は22億1400万円で同40・7%減となった。「収益認識に関する会計基準」(企業会計基準第29号2020年3月31日)等を第1四半期連結会計期間の期首から適用しており、2022年3月期第2四半期の売上高については、当該会計基準等を適用した後の数値となっており、対前年同四半期増減率は記載していない。
セグメント別に見ると、高分子事業の売上高は251億5100万円(前年同期は201億9300万円)、営業利益は38億1800万円で同59・1%増となった。収益認識会計基準等の適用による売上高への影響は16億1000万円の増加だった。原燃料価格の上昇、海上物流の混乱及び新型コロナ感染拡大に伴う活動抑制によるマイナス影響を受けたが、期間を通じて新型コロナの影響による前年の需要減少から回復し、販売は堅調に推移した。
フィルム事業では、包装分野は、引き続き堅調な巣ごもり需要により食品包装などで好調に販売が伸長し、バリアナイロンフィルム「エンブレムHG」などの高付加価値品も国内外で好調だった。また、CO2排出量削減に貢献する環境配慮型食品包装フィルムの採用も拡大した。工業分野は、半導体関連用途が好調に推移し、シリコーンフリー離型ポリエステルフィルム「ユニピール」などの高付加価値品も好調だった。この結果、事業全体で増収増益となった。
樹脂事業では、新型コロナの影響による前年の需要落ち込みからの回復基調が続き販売が増加した。ナイロン樹脂は、自動車用途や電気電子用途などが好調に推移し、ポリアリレート樹脂「Uポリマー」は、自動車用途や情報端末機器用途などで需要が堅調だった。高耐熱ポリアミド樹脂「ゼコット」は新たな自動車用途の開発に成功し、販売が伸長した。その他の機能樹脂の各素材も堅調だった。この結果、事業全体で増収増益となった。
機能資材事業の売上高は168億4800万円(前年同期は145億4600万円)、営業利益は2000万円で同93・3%減となった。収益認識会計基準等の適用による売上高への影響は11億6300万円の増加だった。原燃料価格の上昇、海上物流の混乱、半導体不足等による自動車の生産減少及び新型コロナ感染拡大に伴う活動抑制によるマイナス影響を受けた。
このうちガラス繊維事業では、産業資材分野は、電気電子分野関連資材用途で販売が回復したが、テント、シート等の建築土木用途では新型コロナによる前年の需要減少からの回復が遅れ苦戦した。電子材料分野のICクロスは、情報端末及び周辺機器の半導体用途が好調に推移し、超薄物や低熱膨張タイプなどの高付加価値品の販売は好調だった。
22年3月期の通期連結業績予想は、売上高は1165億円、営業利益が66億円で同9・7%増、経常利益が54億円で同0・3%増、純利益は40億円で3・5%増を見込んでいる。