住友ゴム工業の2021年12月期第3四半期決算(IFRS)は、売上収益は6570億1900万円で前年同期比21・6%増、事業利益は320億7100万円で同306・2%増、営業利益は298億6100万円で同358・7%増、四半期利益は207億2600万円(前年同期は67億9300万円の損失)となった。
セグメント別では、タイヤ事業の売上収益は5518億9500万円で同19・7%増、事業利益は232億9700万円で同202・1%増となった。
国内新車用タイヤは、世界的な半導体不足の影響等により自動車メーカーの生産台数が減少したことなどの影響はあったが、前年はコロナ影響で販売が落ち込んだこともあり、売上は前年同期を上回った。
国内市販用タイヤは、「VEURO VE304」をはじめとするダンロップブランドの低燃費タイヤ、オールシーズンタイヤ「ALL SEASON MAXX AS1」などの拡販に努めた結果、売上は前年同期を上回った。
海外新車用タイヤも半導体不足の影響はあったが、コロナ影響からの回復傾向により売上は前年同期を上回った。
海外市販用タイヤは、アジア・大洋州地域では中国を中心に販売を伸ばした。欧州・アフリカ地域では市況回復が続くなか、販売力の強化に取り組んだこともあり販売本数が伸長した。米州地域は北米でSUV用タイヤを中心にセルアウトが好調でワイルドピークシリーズなどの高機能商品を含め販売を伸ばすことができたが、輸送コンテナの需給逼迫により輸入品の輸送量に制約が見られたほか、輸送費高騰の影響を大きく受けた。 スポーツ事業の売上収益は761億200万円で同52・8%増、事業利益は71億6400万円(前年同期は18億6100万円の損失)となった。ゴルフ用品はコロナに伴う市場縮小に反転が見られたほか、ゴルフ場の利用者数増加もあり、主要各市場を中心に販売を伸ばした。
また、テニス用品も同様に、売上収益は前年同期を上回った。
産業品他事業の売上収益は290億2200万円で同1・4%減、事業利益は15億7700万円で同22・4%減となった。インフラ系商材での大型物件が減少した一方、医療用精密ゴム部品やOA機器用精密ゴム部品は受注増加による販売増となり、ほぼ前年並みとなった。
◆通期業績を下方修正
2021年12月期通期業績予想は、足元の原材料価格の上昇、海上輸送コスト高騰などの環境変化を反映し、8月5日に発表した業績予想を変更した。それによると、売上収益は9250億円(前回予想9300億円、増減率0・5%減)、事業利益は460億円(同550億円、増減率16・4%減)、営業利益は430億円(同520億円、増減率17・3%減)、当期利益は290億円(同355億円、増減率18・3%減)を見込んでいる。