大洋塩ビは11月8日、塩化ビニル樹脂について12月1日納入分より価格改定を実施すると発表した。価格改定幅は現行価格からプラス43円/kg以上となっている。価格改定の理由について、同社は「これまで日本国内の顧客に安定的な供給を果たすべく、生産設備・人員の合理化などあらゆる施策を講じてきた。また、今年に入って原燃料価格高騰を背景とした二度の価格改定を実施してきたが、昨今の原燃料価格はさらに騰勢を強めている。また、近年の生産設備の修繕・維持費用及び副資材等の諸経費の高騰は、事業収益を大きく圧迫し、自助努力だけでは事業継続に支障をきたしかねない状況にある」とした上で、「今後とも国内での安定供給を継続するため、今回の価格改定の実施を決定した」としている。
なお、塩化ビニル樹脂の国内需要は、昨秋より新型コロナ感染症の影響が徐々に払拭され回復基調にある。また、アジア・アメリカをはじめとした海外需要も堅調に推移し、日本を含むアジア域内の需給バランスも逼迫した基調が継続している。その結果、海外市況は歴史的高値圏で推移している。
2021年11月11日