日本含め全地域で増収に ニチリンの1~9月期

2021年11月17日

ゴムタイムス社

 ニチリンの21年12月期第3四半期連結決算は、売上高が430億4000万円で前年同期比20・2%増、営業利益は49億3000万円で同102・4%増、経常利益は54億4800万円で同118・6%増、四半期純利益は35億2900万円で同157・4%増となった。
 地域別では、日本の売上高が223億7600万円(前年同期183億7200万円)、営業利益が13億9100万円(同2億7300万円)。国内販売、海外子会社向け販売とも、半導体不足による影響を受けたが、コロナ禍における大幅な生産縮小の影響を受けた前年同期と比べると改善した。
 北米の売上高が70億8700万円(同62億4000万円)、営業利益が1億3000万円(同5900万円)。年始に寒波による顧客の生産停止、また半導体不足による顧客の減産の影響が拡大しつつあるが、コロナの影響を大きく受けた前年同期から業績は改善した。
 中国の売上高が84億9100万円(同69億6000万円)、営業利益は12億5100万円(同3億3800万円)。新エネルギー車市場の拡大などにより前年比で乗用車の販売は好調に推移していたが、6月以降は世界的な半導体不足の長期化により顧客の減産が顕著になった。ただ、大規模な生産停止が実施された前年に比べ業績は大幅に改善した。
 アジアの売上高が126億3400万円(同94億円)、営業利益は24億4500万円(同17億1400万円)。各国は、コロナ感染拡大が続いているが、域内における2輪用ブレーキホースが堅調に推移したことや、北米、欧州向け販売が回復傾向にあった。
 欧州の売上高が39億4800万円(同33億1900万円)、営業損失は4600万円(前年同四半期は営業損失2億4200万円)。コロナの影響を受けた前年に比べ業績は回復傾向にあるものの、カーメーカーは半導体不足の影響による生産抑制を余儀なくされた。
 21年12月期通期の連結業績予想は、前回予想から上方修正した。売上高が575億円で前期比11・6%増、営業利益が62億円で同43・8%増、経常利益が67億円で同50・4%増、当期純利益が40億円で同68・0%増を見込んでいる。

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