ADEKAの2022年3月期第2四半期決算は、売上高が1684億円で前年同期比21・5%増、営業利益は159億1800万円で同77・6%増、経常利益は161億1900万円で同92・8%増、四半期純利益は106億8700万円で同86・7%増となった。
化学品事業の売上高は963億5900万円で同32・1%増、営業利益は142億1100万円で同97・6%増となった。
樹脂添加剤は、自動車減産の影響を受けたものの、前年同期比では核剤、光安定剤、ゴム用可塑剤の販売が好調に推移した。
建材向けでは、北米で塩ビ用安定剤の採用が拡大し販売が好調に推移した。また、重金属価格の高騰や東南アジアにおける有害重金属を含む安定剤の規制強化を背景に、インフラ用途で重金属フリー安定剤の販売も好調に推移した。
食品包装・医療用途向けでは、中食需要の拡大やディスポーザブル医療器具需要の増加により透明化剤等の販売が海外を中心に堅調に推移した。
酸化防止剤は、海外での競合品の供給トラブルに伴う需給の引き締まりもあり、販売が好調に推移。家電筐体向けエンジニアリングプラスチック用難燃剤は、堅調な需要を背景に中国、東南アジアで販売が好調に推移した。
情報・電子化学品の半導体向けでは、5G通信やIoT化に伴うデジタル機器やデータセンター需要の拡大が続き、最先端のDRAMに使用される高誘電材料の販売が好調に、NAND向け製品の販売は堅調に推移した。また、EUVやArFといった最先端のフォトレジスト向けに光酸発生剤の採用が拡大し、販売が好調に推移した。
ディスプレイ向けでは、テレビの巣ごもり需要一巡や市場でのパネルの供給過剰感が出始めたもののパネル生産が高水準で推移し、液晶ディスプレイ用エッチング薬液、光学フィルム向け光硬化樹脂、カラーフィルター向け光重合開始剤の販売が好調に推移した。
機能化学品では、自動車向けは、自動車減産の影響を受けたものの、前年同期比ではエンジンオイル用潤滑油添加剤やゴムタイヤ伸線用潤滑剤、特殊エポキシ樹脂やエポキシ樹脂接着剤の販売が好調に推移した。
一般工業向けは、インバウンド需要や外食産業向け需要の低迷が続き、底打ち感はあるものの化粧品や洗浄剤向け界面活性剤の販売が低調だった。一方、建築塗料向けに反応性乳化剤の販売が国内外で好調に推移した。プロピレングリコール類も工業用を中心に好調に推移した。
22年3月期通期の連結業績予想は、上期業績が当初想定を上回ったことや最近の業績動向を踏まえ、売上高、各利益ともに前回公表値を上方修正した。それによると、売上高が3570億円で前期比9・1%増、営業利益が310億円で同7・0%増、経常利益が315億円で同7・6%増、純利益が200億円で同21・8%増を見込んでいる。
2021年11月17日