漁網再利用のナイロン糸開発 三菱ケミの「キラビスRC」

2021年11月17日

ゴムタイムス社

 三菱ケミカルは11月10日、日本国内で廃棄される漁網を再利用した再生ナイロン樹脂を混合した新しいナイロン糸「キラビスRC」を開発、量産体制を整えたと発表した。

 キラビスRCは、廃漁網から再生したナイロン樹脂「REAMIDE」を同社のナイロン糸・キラビスに特殊紡糸技術を用いて混合した新しいナイロン糸で、同社は、日本で発生した廃棄物を日本国内で再利用する「地産地消」を促進することで、製品のアップサイクルとCO2排出量削減に貢献していく。

 また、キラビスRCは、国内生産のため安定供給が可能であり、原着(原料段階で着色)することで染色工程が不要となるため排水の問題が解消されるとともに、使用する水・電気などのエネルギーを削減できる。また、ナイロン繊維の特長である優れた摩擦堅牢度を持ち、さらに長繊維であるため遊び毛の発生も少なく、カーペットとして使用した場合の掃除も簡単になる。

 同社は、三菱ケミカルホールディングスグループが掲げる中長期経営基本戦略「KAITEKI Vision 30」のもと、サーキュラーエコノミーの推進をKAITEKI実現のキーエレメントと位置付けており、製品等のリサイクルはその重要な取り組みの一つと考えている。同社は今後も、自社だけでなく顧客における使用時のリサイクルにも配慮した製品設計を進めることで、SDGsの達成や持続可能な社会の実現に貢献していくとしている。

 

回収された廃漁網が製品になるまで

回収された廃漁網が製品になるまで

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