丸紅は11月15日、同社と中越パルプ工業(以下、「中越パルプ」)が、中越パルプが製造するセルロースナノファイバー(以下、「CNF」)「nanoforest」を使用した鶏舎用環境改善資材の販売を開始したと発表した。
同社と中越パルプは、2017年4月にCNFの用途開発・販売業務を共同で行うことに合意し、音響分野をはじめ、エレクトロニクス、ゴム等の幅広い分野で用途開発を進めてきた。同製品は、鶏舎環境を良好な状態に維持することで、採卵場の生育環境及び作業者の労働環境の維持・向上に寄与する。また、鶏の環境ストレス要因となる不快害虫に微細なセルロース繊維が付着することで、活動を物理的に抑制する。主な構成成分は微細なセルロース繊維と水であり、採卵鶏や周辺環境に悪影響を及ぼさないだけでなく、散布作業者にも扱いやすい安全性の高い環境改善資材となっている。
製品名はnanoforest―S「ファーム」で、①サステナブルな天然素材を使用しており、抗生物質や殺虫剤等の合成成分は一切含まれていない、②nanoforestの乾燥収縮作用により、埃・塵・羽根を小塊化し、飛散を防止する、③不快害虫を天然繊維で物理的に固定化するため、薬剤成分等による殺虫ではない、といった特徴を持つ。
同社と中越パルプは、同製品の販売を開始するとともに、丸紅グループが持つ畜産分野における豊富な経験を活かし、鶏舎での利用拡大だけでなく、畜舎を含めた幅広い利用に向けて研究開発及び販路開拓を進めていくとしている。