帝人は11月18日、国際的な複合成形材料業界団体である先端材料技術協会が開催する「SAMPE Japan 先端材料技術展2021」に、同社グループが出展すると発表した。
今回の同展は11月24日~12月10日にオンライン、12月1日~3日に東京ビッグサイトで開催され、展示委員長企業である同社グループは、高機能素材や複合成形材料、およびそれらによる持続可能な循環型社会の実現に向けた取り組みを幅広く紹介する。
主な出展内容は、環境配慮型自動車の実現に寄与する複合成形材料、高機能繊維と木材による建築向けのハイブリッド素材「LIVELY WOOD」、炭素繊維「テナックス」、パラ系アラミド「トワロン」、複合材料容器「ウルトレッサ」となっている。
複合成形材料では、量産自動車向けのCFRTP製構造部材として世界で初めて採用されたピックアップトラックの荷台や、衝突時の衝撃吸収部材、複合材料と金属材料を最適条件で組み合わせたマルチマテリアルのバッテリーボックスなどを紹介する。
ハイブリッド素材「LIVELY WOOD」は、木材の2倍以上の剛性を有し、建築材の梁に使用すると設計の自由度が向上することから、幅広い用途に活用が期待される複合材料集成材で、これまで木材を使用できなかった建築物への活用や、梁や柱のない広く快適性の高い空間づくりに貢献する。
炭素繊維「テナックス」は、強度や弾性率などの機械特性に優れており、熱硬化性、熱可塑性のコンポジットの補強材として、航空宇宙、自動車、一般産業、スポーツなど幅広い用途で使用されている。今回は、航空機の構造材向けCFRTPやリサイクルのコンセプトなどを紹介する。
パラ系アラミド「トワロン」は、軽量・高強度で、高い省エネ効果を発揮する。使用による環境影響を定量化する独自の換算システム導入、再生可能エネルギーの活用、バイオ由来原料による生産技術や長繊維のリサイクル技術の開発など、ライフサイクルにおけるCO2排出量の削減を推進している。
複合材料容器「ウルトレッサ」は炭素繊維を使用した圧力容器で、燃料電池自動車、消防、在宅医療などの幅広い用途に使用されており、水素充填用の新型容器として認証を取得している。