三井化学は11月24日、同社及びプライムポリマーが、両社の大阪工場(大阪府高石市)において、持続可能な製品の国際的な認証制度の一つであるISCC PLUS認証を取得したと発表した。
これにより同社及びプライムポリマーは、21年度下期より、大阪工場のナフサクラッカーに投入するバイオマスナフサを原料とする誘導品・製品群を、認証制度に基づいたマスバランス方式によって割り当て、バイオマス化学品及びバイオマス樹脂の販売を開始する。なお、バイオマスナフサをナフサクラッカーに投入する試みは日本で初めてとなる。
ISCCが展開するISCC PLUS認証は、バイオマスやリサイクル原材料の持続可能性認証プログラムで、グローバルなサプライチェーンを通して管理・担保する認証制度として広く認知されており、特に複雑な生産工程を持つ化学産業のサプライチェーンのバイオマス化を推進させるマスバランス方式(物質収支方式)の有効な認証制度となる。
マスバランス方式は既に紙、パーム油など多様な業界で適用されており、バイオマス原料の割合を認証済みの手法で最終製品に割り当てることで、顧客は自身の意思によって使用原料のバイオマス化を選択することができる。同方式は複雑な原料体系と誘導品、複雑なサプライチェーンを持つ化学業界が、社会のカーボンニュートラル化に貢献するために必須のアプローチであるため、マスバランス方式は今後化学業界で広がる見通しとされている。
同社グループは循環経済の実現に向け、化学品・プラスチックのリサイクルとバイオマス化の両輪を進めている。同社は、地球温暖化対策に貢献するバイオマス化を2050年カーボンニュートラルの実現に向けて重要な戦略課題と捉え、素材・プロセスの開発とともに、ステークホルダーとの対話を通じてバイオマスの社会への実装を推進していくとしている。