日本ゴム工業会は経済産業省統計に基づき、2010年年間のゴム製品生産・出荷実績(確報)をまとめた。景気回復を反映し、自動車タイヤ、ベルト、 ホース、工業用品など押し並べて前年実績を上回り、生産量は142万9363㌧、前年比20・5%増となった。出荷金額は全体で2兆2213億9500万 円、同21・1%増となった。 昨年のゴム製品需要を取り巻く環境は、前半はエコカー減税による国内自動車販売の好調、さらに 国内自動車生産台数も順調に回復、半導体・IT関連でもエコポイント制度による消費の拡大や高級家電の好調な国内生産などリーマンショック後の立ち直りを 追い風に、ゴム製品生産も回復基調をたどった。 ただし、後半はエコカー減税の終了や年末には家電エコポイント制度の半減など消費マインドの低下などにつながり、やや踊り場感が強まり需要の伸びも鈍化傾向となった。 こうした市場環境から、2010年年間のゴム製品生産実績は、前半の内需の好調、さらには新興国を中心とした外需の順調な伸びがあり、全体では142万 9363㌧、前年比20・5%増と2割の伸びを記録した。出荷金額は、全体で2兆2213億9500万円、前年比21・1%増となった。 品種別生産実績をみると、主力の自動車タイヤは116万722㌧、同12・0%増と全体の伸びに大きく貢献した。乗用車用タイヤなど概ね2ケタ増を確保し た。ゴムベルトの生産量は2万5466㌧、同8・6%増となり、ゴムホースは自動車生産の回復や建設機械生産の増大などで自動車用ホース、高圧ホースとも に順調に伸び、全体では3万5926㌧、同33・3%増と3割を超える高い伸びとなった。 工業用品については品種により差がみられるものの防振ゴムやパッキン類、スポンジ製品、ゴム板などが生産・出荷とも大幅に増加、工業用品全体の生産量は18万344㌧、同24・3%増となった。 医療用品の生産量は3961㌧、同0・9%減と微減、ゴルフボールが中心の運動用品は2896㌧、同2・3%増と小幅な増加にとどまった。 履物類については、ゴム底布靴の生産量が162万3000足、同13・3%増と1割強の伸びとなったが、総ゴム靴は52万1千足で同15・6%減となった。 2011年の需要環境は、内需は大きな伸びは難しいと判断されそうだが、中国をはじめとした外需の伸びが期待され、輸出の好調が持続すると推測される。
2011年03月14日