独ランクセスは11月26日、ポリアミド(PA)やその他のプラスチックをドイツ標準色票に基づくRAL2003のオレンジ色で恒久的に着色するための新たな着色剤を開発したと発表した。可溶性有機染料「マクロレックスオレンジHT」は、熱安定性・耐光性・耐候性に優れ、卓越した着色力と光沢を提供する。
多くの従来染料とは異なり、「マクロレックスオレンジHT」は、ポリアミド(PA)だけでなく、ポリカーボネート(PC)やポリフェニレンサルファイド(PPS)といったエンジニアリングプラスチックスにも最適とされる。これらのプラスチックは加工温度が高く、通常は着色が容易ではない。このハロゲンフリーの新しい着色剤は、一貫して高品質で高精度の着色(色差基準であるデルタE値0・7以下)を提供する。これはオレンジ色系統の場合に特に重要となる。デルタE値で色差1未満の色のバラツキであれば、通常、人間の目では識別不能となる。また、同社の新しい「高電圧オレンジ」は発色強度が高いため、コスト効率にも優れている。
電気自動車・ハイブリッド車は、当然ながらガソリンエンジン車よりも高電圧・高電流にさらされる。バッテリー回路には最大400Vの直流電圧、エンジン回路には最大1000Vの交流電圧がかかる可能性がある。しかし一方で、交流で42V、直流で60Vを超える電圧は、生命に危険を及ぼしかねないと考えられている。そのため、電気駆動装置における通電部品は、素早くかつ容易に識別できるように鮮やかなオレンジ色に着色されている。「マクロレックスオレンジHT」は、電気モーター取り扱い中の事故リスクの軽減に貢献する。
「マクロレックス」シリーズの染料は、様々な潜在的用途を可能にし、多種多様なポリマーおよび製造プロセスに対して優れた適合性を発揮する。また、食品包装や子供向け玩具に使用するための数多くの法的要件も満たしている。
同社のポリマーアディティブスビジネスユニットが提供する着色剤は約150製品に及び、「マクロレックス」ブランドの着色剤に加えて、規制が厳しい様々な用途に応える顔料や顔料配合製品を幅広く揃えている。