住友ゴム工業は11月29日、販売子会社のダンロップタイヤ中国と岡山交通が協業し、タクシー事業者向けのタイヤの空気圧や温度をリモート監視する空気圧管理ソリューションサービスの実証実験を開始したと発表した。日々長距離を走行するタクシーの安全運行をサポートするサービスとしての有効性、点検時間の短縮、タイヤライフの向上、燃料費削減などの具体的な効果を検証し、安全性・経済性の向上に貢献する。岡山交通は中四国地域で最大級のタクシー保有台数を誇る。
同社は車両リース事業、レンタカー事業では昨年10月から実証実験を行っており、さまざまなデータを蓄積するとともに、事業化に向けての課題の抽出・改善を進めている。今回開始する実証実験は、ダンロップのタクシー用オールシーズンタイヤ「オールシーズンマックスAS1フォータクシー」を装着する岡山交通のタクシー15台に対して、タイヤの空気圧や温度をリモート監視できるサービスを提供し、その効果を検証する。このサービスでは、駐車場に設置されたアンテナ圏内のTPMS(タイヤ空気圧監視システム)装着車両のタイヤ空気圧や温度情報を、一括してタブレット端末などで確認・管理することが可能となる。
これにより、グリーン経営認証において要求される空気圧の定量管理業務を大幅に軽減することができる。適正な空気圧維持は走行時の燃費向上ひいてはCO2排出量の削減にも繋がり、経済的な負担が軽くなるだけでなく、SDGs達成にも貢献できる。
自動車産業を取り巻く環境が大きく変化する中、同社は「さらに高い安全性能・環境性能」を実現するため、タイヤ開発および周辺サービス展開のコンセプトである「スマートタイヤコンセプト」を掲げている。周辺サービス展開の1つであるタイヤ空気圧管理ソリューションにより、車両の安全・安心な運行を支えることで、同社はこれからも安全で事故のない社会づくりに貢献していくとしている。