ダウは11月29日、建築物のファサードに使用するカーボンニュートラルシリコーンを今後提供する予定であると発表した。同社のカーボンニュートラルシリコーンはSSG構法、複層ガラス、ウェザーシールに使用されているが、PAS2060認証を取得していることから、建築物の環境負荷低減に貢献する。この画期的な技術革新により、建築物の設計者は、より少ない負荷でより自由に設計することができるようになる。
カーボンニュートラルシリコーンによって、同社製品の構成要素であるシリコーンポリマーの製造に必要な炭素を正味ゼロにすることができる。カーボンニュートラルなシリコーンを特定の建築プロジェクトに使用することは、特に同社が独自の立場を確立している金属ケイ素の製造プロセスにおいては革新的な提案となる。
同社の建築ファサード担当グローバルセグメントリーダーであるマーカス・プレト氏は、「建築ファサード用DOWSILシリコーンのカーボンニュートラルプログラムの商業導入は、シリコーンのカーボンニュートラル化における真の進化を意味する。CO2排出量の削減に貢献するネット・カーボン・ゼロ・ビルディングの開発に向けた業界の取り組みに歩調を合わせて、ダウは建築材料に含まれる環境負荷物質の削減の主導に取り組んでいる」と述べている。
ワールド・グリーン・ビルディング・カウンシルによると、世界のCO2排出量の約39%を建築部門が占めている。これには、内包された炭素と建物の運営の両方が含まれる。同社のシリコーン製品の製造にはエネルギーが必要になるが、これらの製品を使用することで、プレハブのファサード要素やガラス断熱材などの用途においては非常に低いエネルギーしか必要としないため、建物のエネルギー効率の大幅な向上に貢献する。さらに、その実証済みの耐久性により、断熱化された建物の外壁を50年以上も維持することができる。 なお、グローバル・シリコーン・カウンシルによると、シリコーンシーラントで必要とされるエネルギーまたはカーボンは、断熱ガラス用のシリコーンシーラントを製造するために必要なエネルギー比で最大20倍の節約となる。