東レは11月29日、髪やウールの構造をポリエステル繊維で再構築し、さらっとしなやかな質感と機能性を併せ持つポリエステル長繊維テキスタイル「Qticle(キューティクル)」を開発した。
同社はメンズ・レディス用、アウター向けのカジュアルな中厚地織物からカットソー素材までアイテムを幅広く揃え、国内外のハイエンドゾーンに向けて、ファッションの自由度や可能性を広げるテキスタイルとして提案していく。2023年春夏シーズン向けからの販売を予定しており、2022年度20万m、2025年度50万mの販売を目標とする。
髪やウールは幾層ものタンパク質から成り、その性質や構造により、ほどよい弾力性や艶感などの特長がある。同製品は、この特長を機能性に優れたポリエステルで実現するため、複合紡糸技術NANODESIGN(ナノデザイン)を駆使することで、極薄外殻層を有した偏心構造原糸を設計し、さらに捲縮構造や繊維表面に微細な凹凸を付与する繊維加工技術を融合した、バイオミメティクス(生物模倣)テキスタイルとなっている。
同製品はこれらの技術により、感性面ではナチュラルで艶やかな深みのある発色とさらっとしなやかな気持ち良い触り心地を、機能性面では弾力のあるストレッチ性が快適な着心地とイージーケア性を実現した。
また、同社は今後、構成するポリマーをリサイクル原料にした品種をラインナップに取り揃え、サステナビリティへの要求にも対応していく。