住友化学は、ドイツのナバルテック社と、水酸化アルミニウムをはじめとするアルミナ事業に関する提携について協議を開始、住友化学がナバルテック社から微粒水酸化アルミニウムの供給を受け、12月1日から中国、韓国を中心とするアジアで販売することに合意したと13日発表した。
水酸化アルミニウムは、主に船舶や自動車、家電のワイヤハーネスの電線被覆、電子電気回路の配線、プリント基板、建材樹脂などの素材に難燃剤として添加されている。ハロゲン系の難燃剤と異なり、燃えた場合に有害ガスを発生しないため採用が進んでおり、中でも微粒水酸化アルミニウムは難燃機能に加え低発煙にも寄与する品種で、地下鉄やスマートグリッド電線網拡張が進む中国や造船業が盛んな韓国の船舶用途などを中心に需要が増大している。
住友化学は、微粒水酸化アルミニウムのほか、樹脂基板用、人工大理石用の特殊水酸化アルミニウム、液晶ガラスやIC基板、自動車プラグ用の低ソーダアルミナなどを愛媛工場で製造している。これまで能力増強も行ってきたが、急速に伸長する需要にタイムリーに対応するため、欧米を中心に事業を展開するケミカル用アルミナの世界的大手専業メーカーのナバルテック社から微粒水酸化アルミニウムの供給を受けることを決定した。
〈ナバルテック社の概要〉
▽設立=1994年
▽本社所在地=ドイツ・シュヴァンドルフ
▽事業内容=水酸化アルミニウムや酸化アルミニウムを中心に、環境に配慮した高機能な無機材料製品の開発・製造・販売
▽売上高= : 2010年:1億1200万ユーロ(2010年)
▽従業員=404名
2011年12月22日