BASFは12月3日、2030年までにCO2排出量を2018年比で25%削減し、2050年までにクライメート・ニュートラルを達成するための、新たなプロジェクト組織「ネット・ゼロ・アクセラレーター」を立ち上げ、広範囲にわたる全社的活動を強化し、加速させると発表した。
この組織は、低CO2生産技術、循環型経済、再生可能エネルギーに関するプロジェクト推進のスピードを上げることに焦点を当てている。ドイツのルートヴィッヒスハーフェンを拠点とする新しいプロジェクト組織は、2022年1月1日にスタートし、初期メンバーは約80名の従業員で構成される。
「ネット・ゼロ・アクセラレーター」ユニットは取締役会会長の直属となり、Dr.ラルス・キッサウがプレジデントとして指揮を執る。キッサウのリーダーシップのもと、CO2削減目標を達成するための既存のプロジェクトをさらに推進させ、新規プロジェクトを各国で立ち上げ、今後数年間でプロジェクトを実行段階に移すことを目標としている。
同社は、再生可能エネルギー、代替原料、CO2削減技術に関する専門知識を結集することで、プロジェクトの実施スピードを上げ、より早くスケーリング効果を達成し、気候保護に重要な貢献をしていく。並行して、各事業部は、同社の野心的なCO2削減目標を達成するために、事業部ごとのプロジェクトに引き続き取り組んでいく。
新組織が管理する進行中の全社プロジェクトには、ChemCyclingのような循環型経済の分野における活動や、メタン熱分解のようなCO2フリーの技術が含まれる。再生可能エネルギーも活動分野のひとつとなる。同社はこの分野で様々なプロジェクトを開始し、ここ数ヶ月で特定の契約に署名した。例えば、ヴァッテンフォール社との間で、総発電量1・5ギガワットのホランド・クスト・ズイド風力発電所の49・5%の株式を取得する契約や、オーステッド社がドイツ北海で計画しているボルクム・リフグラント3洋上風力発電所から186メガワットの発電容量を購入する25年間の電力供給契約などがある。