デンカは12月6日、同社の青海工場(新潟県糸魚川市)が今年12月で操業100周年を迎えたと発表した。
青海工場は、隣接する黒姫山の石灰石や自家発電電力などの資源を有効に活かし、1921年(大正10年)にカーバイドの製造から操業を開始した。独自のカーバイドチェーンにより石灰窒素肥料、セメント・特殊混和材などの無機化学品から特殊合成ゴム、高分子ヒアルロン酸製剤などの有機化学品に至るまで、幅広い製品を生産する同社の主力工場であり続けている。
また、2018年には工場部門間の一体的・機能的な運営や地域との相互交流の中枢(ハブ)として新総合事務所「Omi Innovation Hub(オーミイノベーションハブ)」を竣工するなど、社員の働きやすい環境の整備にも注力している。
青海工場では操業と同時に自家水力発電所も稼働しており、今年1月には新たな自家水力発電所である新青海川発電所の送電を開始した。現在は合計16ヶ所、約17万世帯の電力分に相当する最大出力12・6万kW(国内民間製造業では第2位となる規模)の発電能力を保有しており、来年4月には新姫川第六発電所の送電開始を予定するなど、クリーンエネルギーの利用拡大を進めている。さらに、カーボンニュートラル実現に向けたCCUSの開発・実装展開の技術開発やCO2吸収型コンクリート「CO2―SUICOM」の普及に向けて、キーマテリアルとなる特殊混和材「LEAF」の研究開発を進めるなどのスペシャリティー化を推進している。