ダウ・ケミカル日本は12月10日、循環型社会の実現に向けた地域参加型リサイクルプログラムを通じ、回収した廃プラスチックを利用して作られた約5000枚のごみ袋を協力パートナーに寄贈することを発表した。2020年9月より始まった同プログラムは、環境ソーシャルベンチャーであるテラサイクルおよび国際環境NGOバードライフ・インターナショナル東京(以下、「バードライフ」)と協力し、バードライフと社会連携活動を実施する「Jリーグ鳥の会」参加クラブの協力により、地域と連動した清掃活動、環境教育、廃プラスチックのリサイクルを推進する取り組みとして実施されている。
今回のプログラムは、新型コロナウイルス感染拡大の影響により当初の清掃活動規模から縮小して実施されたが、「Jリーグ鳥の会」の協力を得て、福岡県北九州市に広がる曽根干潟や鳥取県において約50kgのプラスチックごみを回収した。2021年11月18日、「Jリーグ鳥の会」のギラン会鳥(ギラヴァンツ北九州)から、共に清掃活動を行った北九州市曽根東小学校の児童へ、回収したプラスチックごみを利用して作られたごみ袋の一部が届けられた。今後は、ガイナーレ鳥取や千葉県習志野市谷津干潟自然観察センターなどにごみ袋が寄贈される予定となっている。
寄贈されたごみ袋は、同社のPCR(ポストコンシューマーリサイクル)樹脂が活用され、日生化学の協力のもと製作された。同社のPCR樹脂は、「原料となる再生ペレットは、プラスチック製の飲料容器や産業用のプラスチックフィルムなどを利用」「再生ペレットに、ダウのバージン樹脂や改質剤を配合することにより、通常の再生ペレットと比較し物性面の安定性が改善」「リサイクル品に使用される再生材料の配合率の拡大のみでなく、フィルムの強度の改善にも貢献」「ごみ袋以外にも集積シュリンクフィルムや産業用のストレッチフィルム、硬質のプラスチック容器などにも活用可能」などの特長を持つ。
同社はグローバルにおいて、直接的またはパートナーシップを通じて、100万tのプラスチックの回収、再利用、リサイクルを目指す追加的なプラスチックリサイクル目標を発表している。