■ 新年インタビュー
中国紹興十川は売上好調 2年間で19年時の売上利益に戻す
十川ゴム 十川利男社長
収益性の高い事業への集約を検討する十川ゴム。十川利男社長に足元の状況や来期の方針などについて聞いた。
◆21年を振り返って。
自動車産業は回復基調となったが、生産調整が発生したことで一部納入が滞った。半導体不足や東南アジア方面等からの部品調達に難を期すなどの足踏みもあり、景気は行ったり来たりという1年となった。医療関係ではコロナ禍での落ち込みが少しずつだが回復の兆しがみられた。
売上は落ち込みの大きかった20年時と比較すると増加したが、19年時と比較するとまだ低調な状態だ。利益面は原材料の高騰だけでなく、水道光熱費や重油、ガスなどのユーティリティコストの増加もある中、自動車生産も不透明な部分もあり、見通しを立てるのが難しい状況となっている。セグメント別では、ホース関係は自動車関係が落ち込んだものの全体では伸長した。一方、金型成形品では医療関係は伸長したが、住宅設備関係などは少し不調となった。ガス関係はほぼ前年並みで、船舶車両関係は前年よりやや増加した。樹脂ホース関係では住宅設備関係は不調だったが、農業園芸用は堅調に推移した。
20年と21年の2年間で、19年時の売上に戻すことを目標と掲げており、今期の売上増加見込み分と来期の目標を達成すれば、19年時の売上に戻すことが可能となる。
◆中国紹興十川の状況は。
12月決算でまだ通期の業績は出ていないが、売上は前年比117~118%で推移しており好調を維持している。日本向けの金型成形品も昨年の落ち込みから7%程度戻している。また、中国国内や東南アジア向けの金型成型品も30%程度増加するなど非常に好調だった。
売上比率は発足当初は90%日本向けが占めていたが、18年度は中国向けが65%、日本向けが35%と年々中国向けのウエイトが高くなってきている。そのような中、中国国内が好調に推移した結果、