■ 新年インタビュー
製販技術を一体化へ 差別化された商品開発目指す
東北ゴム 磯崎勇一社長
昨年1月に製販一体化の組織改革を行った東北ゴム。21年の動向や製品別の状況、経営方針、今年の抱負などについて、磯崎社長に聞いた。
◆昨年を振り返って。
当社は製造は東北ゴム、設計は日立金属、 営業は日立金属商事と分割して事業運営を行っていたが、昨年の1月にこの三部門を統合する組織改革を行った。
技術面では親会社の持つ金属関連の技術を活かした製品開発を進め、販売面でも親会社と共通する顧客に対して販路の拡大を目指してきたが、工業用ゴム製品においてはなかなかシナジーを創出することが難しかった。
一方、製販一体化の効果として、指示系統を統一することができ、非常にスピード感のある事業運営ができるようになった。
既に顧客受注への素早い対応や社内コミュニケーションがスムーズになるなどの成果が出てきている。
昨年はコロナ禍で想定通りに営業活動ができず残念な部分もあったが、当社にとって非常に大きく転換した1年となった。
◆業績については。
下期に入り足元の需要は回復傾向を維持しているが、上期はコロナ影響もあり需要の落ち込みが顕著だった。当社の強みである顧客を訪問し、ニーズを掴み、特徴ある製品を開発供給するというやり方ができなかった事も響き、上期売上は計画も若干下回った。
利益面では材料費の高騰に苦慮したが、製販一体化によるコスト削減効果が寄与し、ほぼ計画通りに推移した。材料高騰に対応するために企業努力では吸収できない範囲についてはお客様に応分のご負担をお願いしており、交渉を開始している。
◆製品別の状況は。
シートは生産能力との兼ね合いをみて選択と集中を行った。今後は帯電防止マットなど付加価値の高い製品へのシフトを推進していく。ホースは輸出関係でブラジル方面での受注などもあり、堅調に推移した。
ハンドレールは保守案件が3分の2を占めており需要も安定した。
ECサイトにも一部商品の出品を5月から開始した。拡販の目的も当然あるが、ECサイトの集客力を通して、商品の認知を高めていく狙いもある。既に新規顧客からの問い合わせも増加しており、ニーズを掴むという面でも成果が出ている。今後、