■ 新年インタビュー
次の10年に向けた飛躍の年に
バンドー化学 吉井満隆社長
◆21年を振り返って。
オリンピックイヤーでしたので、経済が活発になると非常に期待していたが、残念ながら年始から新型コロナの影響が継続しており、1年を振り返るとウィズコロナ、アフターコロナへ対応した1年になった。感染防止対策を鋭意、推進してきた結果、大きなクラスターも発生せず、生産、販売活動が継続できた。
コロナ禍において、デジタルマーケティングも推進した。顧客訪問が難しい中、ホームページ上で新製品の展示会の開催やほぼ毎月の頻度でウェビナーも実施した。様々なテーマで開催し、多くの参加者を集め、情報提供をすることができた。顧客からニーズを集約するというやり方に変化はないが、やり方がデジタルに変化しきたと感じている。
また、気候変動リスクへの対応など、持続可能な成長について、非常によく考える年でもあった。会社経営では業績だけが注目されることが多かったが、これからは企業の存在価値は持続的な社会にどのように貢献していくのかという事が重要だと改めて認識した。
◆自動車EV化への対応について
2050年を見据えた動きと2030年までの動きの両面から考えている。2030年までは内燃機関エンジンも残り、それらのアフターマーケットも存在するとみている。
ただ、2050年には内燃機関エンジンが大きく減少すると考えられるので、それに合わせた対応が必要だと考えている。
まず、EV化により新たにベルトが使用できる部分を探索すること。EV化により、新たなベルト需要が創出される可能性があるので、開発を進めていく事が一番の近道だと考えている。
もう一つは、我々が得意とするゴムやエラストマーを配合、分散、複合化するというコア技術を活用・転用できる部品をEV化の中で探索していく。探索を進め、来るべきEV化に備えていきたい。
さらに、コア技術を自動車部品以外の分野へ活用することも推進し、医療、電子資材事業などを自動車部品に次ぐ柱としていきたいと考えている。
◆中長期経営計画の進捗状況について
中長期経営計画では、新事業の創出と
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