分野別に見る2022年の業界展望 

2022年01月25日

ゴムタイムス社

 新型コロナウイルスの新たな変異株「オミクロン株」の感染が急速に広がるなかでスタートした2022年。2022年もゴム業界の外部環境は新型コロナウイルスの動向に左右されそうだ。一方、ゴム産業の主要な需要先である自動車業界では、電動化に向けたが動きが一気に加速しそう。「脱炭素」への取り組みや原材料の上昇や確保への対応も求められる。
 変化の激しい環境下において、合成ゴムやホース、ベルト、CMB、ゴム用機械、ゴムロールなど各分野の需要動向はどうなるのか。本紙の担当記者が今年の需要動向を展望した。

合成ゴム

旺盛な需要が継続

 21年の合成ゴム市場は、20年後半から自動車業界が回復する流れが21年も続き、各メーカーも需要が回復しタイトな状況であった。ただ、物流の混乱、半導体不足の影響などがあり、厳しい環境だったとも言える。またシリコーンゴムやフッ素ゴム、EPDMは今でも不足が続いている状況だ。
 合成ゴム工業会のまとめでは、21年1~10月の合成ゴム生産量は122万4427tで前年同期比24・7%増だった。
製品別で見ると、タイヤ向けが中心のSBRやBRも二桁の増加となっているほか、他の合成ゴムも全て二桁の伸びを見せており旺盛な需要だった。
 価格動向では、昨年から引き続き、主要原材料価格の高騰や包装資材、輸送費の高騰等により、各メーカーは値上げを打ち出している。またEPDMでは、2021年9月に住友化学が2023年3月末をめどにEPDMの販売を終了すると発表したこともあり、EPDMの供給不足が続くだろう。22年も自動車生産回復による旺盛な需要への対応を余儀なくされ、グローバル需給バランスの動向が注目される。

ゴムホース

高圧用は好調が続く

 日本ゴムホースが昨年11月に

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