謹んで新年のご挨拶を申し上げます。
昨年を振り返りますと、2020年から続く新型コロナウイルスの影響で様々な制約の中での事業活動となりました。
原材料や海上運賃の高騰など外部環境の逆風もありましたが、全部門の努力により成果を出すことができました。
私が社長に就任した 2019年に中期計画を策定いたしました。グローバルでの生産・販売体制の成果最大化を図るために重点事項を推進するとともに、経営基盤を強化する活動であるBethe Changeプロジェクトの展開、Our Philosophyの策定、サステナビリティ長期方針の公表など、様々な課題に取り組んでまいりました。これらの活動を継続して経営基盤を一層強化しながら、本年は次のステップとして、更なる成果につなげていく年にしたいと考えております。
経営基盤強化を進める一方で、昨年品質に係る不適切事案が判明し、お客様にご迷惑をおかけしてしまう事態となりましたことを改めてお詫び申し上げます。当然ですが、お客様に当社の製品品質や品質管理体制を信頼していただけなければ、事業を継続・発展させることはできません。いま一度、Our PhilosophyのPurposeに立ち返り、お客様に安心していただける品質で、私たち自身が誇りをもって送り出せる製品づくりを築いてまいります。
2022年はこれまで当社が進めてきた変革をしっかり定着させ、事業の成果に結びつけていきたいと考えています。 社会環境やお客様のニーズの変化に対応して、期待を上回る成果を出していくことを目指し、本年の社長方針として次の3点を定めます。
第一の方針は「常にOur Philosophyを意識し、事業活動の中で実践しよう」です。
当社の企業理念体系「Our Philosophy」では、当社の「存在意義=Purpose」を「未来をひらくイノベーションで最高の安心とヨロコビをつくる。」としています。しかし、昨年「最高の安心とヨロコビ」にはそぐわない2件の不適切事案が発生し、「Our Philosophy」を全社員が強く意識して仕事をすることの重要性を改めて認識しました。全員で「Our Philosophy」を意識し、一人一人の仕事の中で日々実践し、正々堂々とした事業活動を行ってまいります。
第二の方針は「中期計画の利益目標達成を目指し、グローバル体制の成果を最大化しよう」です。
これまでに築いてきたグローバル体制の成果最大化に向けて、生産面では、設備を最大限に稼働させて高機能商品をより多く生産できるように改善を進めるとともに、販売面では市場ニーズを的確に捉え、将来も見据えた生産・需給計画や商品開発にフィードバックし、お客様の満足度向上につなげてまいります。
社内外の変化を敏感に捉え、部門の壁を越えたオープンな情報共有と議論によってベストな判断を下し、中期計画の方針である「グローバル体制の成果の最大化」を実現してまいります。
第三の方針は「社会課題への取り組みを加速し、持続可能な社会の実現に貢献しよう」です。3万9千人を超えるグループ社員全員が、性別や人種などの壁を感じることなく互いに尊重し合い、活き活きと働ける風土づくりに取り組みます。
また、住友事業精神は、「住友の事業は、住友自身を利するとともに、国家を利し、かつ社会を利するものでなければならない」という考え方が基本となっています。社会課題の解決に着目した事業活動を全社で計画的に進めていくために、当社は昨年8月にサステナビリティ長期方針を発表いたしました。本年は、その目標達成につながる具体的なアクションにドライブをかけてまいります。
これらの方針に基づき、当社では社会からの期待に応える真に価値ある企業グループを目指して邁進してまいります。