-60℃以下の定温輸送を実現 カネカ、潜熱蓄熱材を開発

2022年01月07日

ゴムタイムス社

 カネカは1月6日、融点マイナス70℃の潜熱蓄熱材「カネカ潜熱蓄熱材PATTHERMO CV―70」(以下、「PATTHERMO CV―70」)と、高い断熱性能を持つ「定温輸送パッケージTACPack Premium」を組み合わせることで、ドライアイス代替製品によるマイナス60℃以下の定温輸送を可能にしたと発表した。

 マイナス60℃以下の輸送ではドライアイスを用いることが主流だが、物流業界においては、カーボンニュートラルの観点から代替製品のニーズが高まっている。特にドライアイスは夏場を中心に需給が逼迫することや、取り扱い作業者の安全管理および航空法による積載量制限があることが課題となっている。

 同社が新たに開発した「PATTHERMO CV―70」は、無機化合物の組み合わせを工夫することでマイナス70℃の融点を実現した潜熱蓄熱材で、今後、ドライアイスの代替製品として提案を強化し、CO2排出量の低減に貢献していく。また、繰り返し使用可能であることから、輸送コストの削減にもつながる。

 定温輸送パッケージは、厳格な温度管理が求められる新型コロナワクチンの接種施設への輸送に使用されており、円滑なワクチン接種に貢献している。また、冷凍温度帯での輸送が必要となる再生医療やバイオ医薬品の拡大により、医薬品物流における適切な温度管理の重要性はますます高まっている。同社は、今後も温度管理ソリューションの提供を通じ、医療や生活の質の向上、カーボンニュートラル社会の構築に貢献していくとしている。

 

TACPack Premium

TACPack Premium

 

技術セミナーのご案内

ゴムタイムス主催セミナー