■ 新年インタビュー
ホースドクター活動を進化させる年に
トヨックス 中西誠社長
リアルでの訪問とリモートをミックスさせた「ハイブリッド型」のホースドクター活動で、顧客の困りごとを解決している耐圧樹脂ホース・専用継手メーカーのトヨックス。21年を振り返りつつ、需要動向などについて中西誠社長に尋ねた。
◆21年を振り返って。
21年12月期の業績を振り返ると、売上は増収となり、利益は横ばいだった。売上はコロナ前の19年度レベルまで回復した。原料の高騰や部材の調達難などの影響で厳しかったものの、利益はなんとか前期並みを維持できた。海外拠点の中国は、いち早く新型コロナから回復し、拠点エリアや人員も増やしたことで業績に寄与した。また、ホースの生産拠点のタイも、一時期ロックダウンで厳しい時もあったが、昨年より上回った。
◆ホースドクター活動について。
コロナ禍でお客様に訪問できない状況のなか、リアルでの訪問と上手くリモートをミックスさせた「ハイブリッド型」のホースドクター活動を行ってきた。コロナ禍で、リモートに切り替えたお客様も多く、現地に訪問する回数は減ったが、WEBの面談や引き合いは昨年と比べて大幅に増えた。海外拠点では、国内より早くハイブリット型のホースドクター活動に切り替えため、現地スタッフと国内からはリモートで技術スタッフも参加する形で、上手く連携が取れ結果、成果にも繋がった。
◆情報発信について。
ホース配管の困り事や悩みを解消できる「ホースドクターサイト」を立上げて積極的に情報発信も行い、お客様の困りごとに対して、ソリューションに繋がる活動を取り組んだ。お客様の困りごとを解決するサイトづくりをしたことにより、問い合わせや引き合いが増え、確実に業績に貢献している。産業用ホースと継手に関する動画配信も好評だと聞いている。
◆ホース分野の動向は。
汎用品は半導体分野の景気が良いと需要が伸びたりするなど、景気の変動を受けやすい。一方、機能品は前期から比較的安定しており、ソリューション提案が実を結んだ。ホースドクター活動やWEB発信で機能品をユーザー様が知っていただく機会が増え、機能品の採用は着実に増えている。
新商品についても、21年は7月に食品粉粒体・静電気防止用「トヨフーズアース ホース」の大口径サイズを追加発売した。いずれもこれまで現場でお困りになっていた問題を解決できる商品として、ユーザー様からも評価が高く、手応えを感じている。
◆SDGsの取り組みは。
2年前にSDGsの取り組みをスタートした。まずは、SDGsの各ゴールに合わせた社員の教育や啓発活動を行っている。21年では、CO2削減の取り組みとして、再生エネルギーに一部切り替えた。SDGsの取り組みを行うことは、当社にとって社会的責任をしっかりと果たすことだと考えている。
◆22年の抱負
原料の高騰や部材の調達難といった環境変化に対応していくために、BCP対策をさらに強化し、商品を安定的に供給していく。また、22年もホースドクター活動をさらに進化させる年にしたい。新商品を発売し、お客様の満足度を高めていく考えだ。海外拠点では、拠点エリア人員を増やし情報を届けていく。国内は、さらにお客様の困りごとを解決できるソリューション提案で満足度を向上させていきたい。そのためにも、成長市場には、しっかりと新しい価値を届ける一方で、成熟市場には浸透していく活動を行っていく。