帝人は1月11日、同社が展開する高機能繊維を用いた複合材料集成材「LIVELY WOOD」を使用した木造モバイル建築ユニット「LIVELY VILLA」が、愛媛県松山市が推進する「スマートアイランドモデル事業」の実証実験として、市内の宿泊施設「ほしふるテラス姫ケ浜」のワーケーション施設に採用されたと発表した。
「ほしふるテラス姫ケ浜」は松山市が運営する宿泊施設で、瀬戸内海国立公園内に浮かぶ中島の姫ケ浜ビーチにある。豊かな自然を活かし、農山漁村に滞在して地域の文化や生活を体験するグリーンツーリズムや、観光と環境保全を両立するエコツーリズムなどとの組み合わせでワーケーションを促進し、夏の海水浴シーズン以外の集客につなげることを目指している。
一方、市が推進する「スマートアイランドモデル事業」は、島の人口減少や高齢化、不便な公共交通など、離島ゆえの課題を解決し、賑わいの創出を目指す事業で、産学で構成される「松山市SDGs推進協議会」と連携して実証実験を進めている。
今回採用された「LIVELY VILLA」は、サイズが長さ約6m、奥行き約2m、高さ約2・8mのもので、柱や梁などに国産木材を使用し、大きな窓を取り付けることで、ワーケーションに適した開放的で温かみのある室内空間を実現している。「ほしふるテラス姫ケ浜」の敷地内に2台設置し、約1年間の実証実験の間、ワーケーション用の施設として活用される。また、万一の災害時には、「LIVELY VILLA」を移動させることで、仮設住宅や保健室として活用することもできる。
同社は「松山市SDGs推進協議会」の一員として、市が推進する「スマートアイランドモデル事業」を支援しており、地域の課題解決への貢献に努めている。また、「LIVELY VILLA」を普及させることで、木材の地産地消の促進や災害時の貢献を目指し、長期ビジョンである「未来の社会を支える会社」となること、およびSDGsの目標達成に向けて邁進していくとしている。