東洋紡は、サントリーと米国のバイオ化学ベンチャー企業・アネロテック社が共同開発した、植物由来原料を100%使用したペットボトルの試作にあたり、原料となる100%バイオPET(ポリエチレンテレフタレート)樹脂の重合に成功した。
ペットボトルの原料となるPET樹脂は、化石由来原料の「エチレングリコール」と「テレフタル酸」を重合して製造するのが一般的。ただし、エチレングリコールを植物由来原料で生成したPET樹脂を使用したペットボトルが既に実用化されている。もう一方のテレフタル酸の粗原料である「パラキシレン」は、これまで植物由来原料からの生成は困難とされてきたが、アネロテック社が独自に開発した技術により、パラキシレンを非可食のウッドチップから生成することが可能となった。
同社はコア技術の一つとして高度な重合技術を保有しており、これまでも環境に配慮したさまざまな製品の開発に注力してきた。このほど、サントリーと連携し、アネロテック社の技術により生成された植物由来原料 100%のテレフタル酸と、同じく植物由来のエチレングリコールから 100%バイオPET 樹脂を重合することに成功し、サントリーとアネロテック社による植物由来原料100%使用ペットボトルの試作品の開発に貢献した。
同社は、持続可能な社会の実現に向け、植物由来原料への転換やリサイクル資源の活用を積極的に推進しており、2050年までに全フィルム製品のバイオプラスチック化などを目標に掲げている。
今後は100%植物由来原料で高いバリア性能を持つPEF(ポリエチレンフラノエート)フィルムの実用化に向けた取り組みを進めるとともに、2020年にサントリーや同社を含む国内のプラスチックバリューチェーン各社により設立された合弁会社アールプラスジャパンによる使用済みプラスチックの再資源化事業に参画するなど、循環型経済の実現に貢献できるよう努めていく。
2022年01月16日