ザ・グッドイヤー・タイヤ・アンド・ラバー・カンパニーは1月18日、業界をリードする技術革新で、サステナブルな原材料含有率が70%のデモタイヤを発表した。
クリス・ヘルセル同社上級副社長グローバルオペレーション&CTOは、「グッドイヤーは2020年に、この先10年以内にサステナブルな原材料100%によるタイヤを製造するという目標を掲げたが、今回、当社の研究者とエンジニアはその目標に向かって大きな前進を遂げてくれた」と述べている。
サステナブル素材70%のタイヤには、9種類の異なるタイヤ成分と、それに関わる13種類の特徴ある成分が含まれている。同社の性能指標では、この成分特性がタイヤ全体の性能を強化していることを証明している。
タイヤ成分のうちカーボンブラックは、コンパウンドの補強やタイヤ寿命延長のために含まれており、従来は各種石油製品を燃焼させ作られていた。今回同社が開発したタイヤは、メタン、二酸化炭素、植物性オイルから生成される3種類の異なるカーボンブラックの使用を特徴としている。初期のライフサイクルアセスメントでは、現在のカーボンブラック製造方法と比較して炭素排出量が減少していること、または、バイオベースあるいは廃棄物原料の使用が証明されている。
また、タイヤへの大豆油の使用は同社の重要な技術革新で、極端な温度変化の中でもコンパウンドの柔軟性を保つのに役立っている。大豆油は植物を原料とした資源であり、同社の石油系製品の使用量を削減している。大豆蛋白のほぼ100%が食品や動物飼料用として利用されているが、大豆油はかなり余剰があり、工業用として使用することが可能となっている。
その他、シリカはタイヤに頻用される成分で、グリップ力の向上や燃費低減に効果がある。今回同社が開発したタイヤは、米の加工時に出る副産物で、廃棄・埋め立てに使われることが多い籾殻灰から作られたユニークで多様な種類のシリカを含んでいる。この廃灰から高品質のシリカが生成される。ポリエステルは、ペットボトルやその他プラスチック製品の廃棄物を基材に戻し、タイヤコードに使用可能な工業用級のポリエステルに改質することでリサイクルしている。