東ソー、CN方針を策定 GHG削減へ1200億円投資

2022年01月21日

ゴムタイムス社

 東ソーは1月18日、カーボンニュートラル(CN)実現に向けた方針を策定した。日本政府による2050年カーボンニュートラル宣言及び2030年度GHG排出量削減目標の見直しを受け、同社が策定した方針では、グループ全体で2030年度までにGHG排出量を2018年度比で30%削減、2050年カーボンニュートラルの実現に挑戦する。
 GHG排出量削減施策では、①省エネルギーの推進、②使用エネルギーの脱炭素化、③CO2の回収・有効利用、④GHG排出量削減に向けた投資を実施する。
 ④GHG排出量削減に向けた投資に関しては、従来の設備投資に加えて2030年度に向けて約1200億円のGHG排出量削減投資を行う方針。その中でも直近の2022年度からの3ヵ年で約600億円の投資を計画している。
 ①省エネルギーの推進では、新規投資におけるGHG排出量の増減をインターナルカーボンプライシングを用いて費用換算し、投資判断の材料としているが、この設定単価を引き上げ、これまで以上に省エネの取り組みを加速させる。
 ②使用エネルギーの脱炭素化については、GHG排出量の多い石炭等化石燃料からの段階的な転換(バイオマス、LNG、CO2フリー水素・アンモニアなど)を進めるとともに、再生可能エネルギー(太陽光等)の導入の取り組みを強化し、使用エネルギーの脱炭素化を推進する。
 ③CO2の回収・有効利用では、発電設備や製造プロセスから発生する C2を分離・回収し、ポリウレタン原料などに有効利用する技術開発を外部研究機関や国の支援も受けながら進めていく。
 さらに、製品・技術におけるGHG排出量削減による社会貢献も推進していく。具体的には、硬質ウレタンフォーム(断熱材)や塩化ビニル(樹脂サッシ)では、高性能な外壁断熱材や断熱窓の素材の提供を通し、省エネ住宅やネットゼロエネルギーハウス(ZEH)の普及に貢献する。CO2回収用アミンでは、燃焼排ガス中のNOx等に対して劣化が少ないことから、幅広い燃焼排ガスのCO2回収に適用可能となっている。
 省エネルギー型電解槽の技術では、苛性ソーダ製造用のイオン交換膜法食塩電解槽の技術を共同開発し、国内外の企業にライセンス供与することで省エネに貢献していく。
 同社グループでは、CO2削減・有効利用推進委員会でGHG排出量削減、CO2の回収および原料化による有効利用を推進してきたが、当該委員会のもとにCO2削減・有効利用戦略室およびCO2削減・有効利用南陽・四日市タスクフォースチームを新たに設置し、推進体制強化を図っている。

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