住友ゴム工業は1月24日、17日から開催されているテニスの四大大会の1つである「全豪オープン」および前哨戦の大会使用球「Dunlop Australian Open」納入に際し、これまで容器に付属されていたプラスチックの蓋を廃止し、プラスチック使用量削減に取り組むと発表した。これにより、プラスチック使用量を約0・34t削減することが可能になる。
現在テニスボールの容器には、加圧容器を開けた後の持ち運びの利便性を考慮し、プラスチックの蓋が付属されることが一般的となっている。一方で、短期間に使用される大会使用球においてはこうした利便性をさほど考慮する必要がないため、「全豪オープンシリーズ」主催のテニスオーストラリアと協議のうえ、SDGsの観点からプラスチックの蓋を付属せずに納入することにした。今回の「全豪オープンシリーズ」だけで約0・34tのプラスチック使用量を減らせることになる。
山本悟社長は、「当社は主力のタイヤ事業を含め気候変動の拡大などさまざまな社会課題に対して、事業活動を通じて解決への貢献を図ることを経営の重点課題として全力で取り組み、社会と企業の持続的成長を目指している。このたびテニスの四大大会の1つである『全豪オープン』で、主催者や選手関係者のご理解のもと当社製品が廃棄プラスチックの削減に取り組めることを、本当に喜ばしく誇りに思う」とコメントしている。
同社が昨年12月にSNSで行ったアンケートでは、65%のテニス愛好家が「今後地球環境のためには、プラスチックの蓋なしで販売されたら『蓋なしを買う』」と回答した。同社はSDGsの観点から、今回の大会使用球におけるプラスチックの蓋の廃止にとどまらず、顧客の利便性も配慮しながら、スポーツ事業全体で2030年までに製品包装材で使用するプラスチックを半減(2019年比)することを目指すとしている。このほか、同社はスポーツ事業におけるSDGs関連の取り組みを紹介するホームページを新たに作成し、今後さまざまな発信や啓蒙活動を加速していく。