三洋化成工業は1月27日、同社がFLOSFIAへ資本参画したと発表した。
同社の資本参画は、FLOSFIAが目指す「半導体エコロジー」を実現するための戦略的パートナーシップ構築と、パワー半導体事業の長期成長に向けた基盤づくりを目的としている。
同社は、同資本参画によりFLOSFIAとの連携を強化し、パワー半導体の量産プロセスの確立やパワーモジュールの社会実装を支援していく。FLOSFIAは、同社との協業を通して、GaOパワー半導体・パワーモジュールの社会実装の加速化を目指していく。
FLOSFIAは京都大学発のベンチャー企業で、電力変換用に用いられるパワー半導体として圧倒的な材料ポテンシャルを有する最先端半導体材料「コランダム構造酸化ガリウム(α―Ga2O3)」を用いた半導体デバイスの事業化に取り組んでいる。京都大学桂キャンパス近郊(京都市西京区)にマザー工場・開発拠点を整備、GaOシリーズとしてダイオードのサンプル出荷を開始している。
これまでの半導体では実現困難だった究極のエコロジーの実現を目指しており、FLOSFIAはその取り組みを「半導体エコロジー」と名付けている。
同社は、界面制御技術をコア技術とし、約3000種類に及ぶ高機能なパフォーマンスケミカル製品を通じて、多様な分野の顧客の課題に応えるソリューションビジネスを展開している。
同資本参画を契機に、同社は得意とする界面制御技術などを駆使し、α―Ga2O3半導体製造プロセスやパワーモジュールの技術開発、および同モジュールを利用した応用製品開発における課題に応える素材の開発を行っていく。
これを機に、FLOSFIAは、GaOパワー半導体・パワーモジュールによる電源・車載・動力領域でのイノベーションの実現、製造プロセス構築を加速させ、機器の電動化、小型化、損失低減等を行う。同社は、戦略的パートナーとしてFLOSFIAが目指す「半導体エコロジー」の実現に向けた協業を加速させ、両社で持続可能な社会の実現に貢献していくとしている。