一般産業用が国内外で好調 ベルト3社の4~12月期

2022年02月14日

ゴムタイムス社

 ベルト3社の22年3月期第3四半期連結決算が出そろった。自動車向けは半導体不足による顧客の生産調整などの影響を受けたが、一般産業用は国内外で大きく増加した。利益面は販売増が寄与して全社が増益となった。
 ◆バンドー化学
 バンドー化学の2022年3月期第3四半期の売上収益は696億4600万円で同18・8%増、コア営業利益は62億9100万円で同95・0%増、営業利益は70億1800万円で同101・6%増、四半期利益は55億2300万円で同120・0%増となった。
 自動車部品事業の売上収益は305億9000万円で同24・1%増、セグメント利益は24億2900万円で同88・7%増。国内は、積極的な営業活動により補修市場向けに品揃えを拡大したことに加え、主要顧客の自動車生産台数の増加で補機駆動用伝動ベルトおよび補機駆動用伝動システム製品の販売が増加した。
 海外では、中国で主要顧客の生産台数の増加や補修市場への拡販により補機駆動用伝動ベルトなどの販売が伸長。また、米国、欧州およびアジア地域でも販売が増加した。
 産業資材事業の売上収益は251億9500万円で同13・0%増、セグメント利益は27億3800万円で同68・8%増。一般産業用伝動ベルトは、国内は民間設備投資の増加で産業機械用伝動ベルトの販売が増加した。農業機械用伝動ベルトの販売も増加した。海外は中国、アジア地域で農業機械用および産業機械用伝動ベルトの販売が増加し、米国および欧州地域で産業機械用伝動ベルトの販売が増加した。運搬ベルトは、国内でコンベヤベルトおよび樹脂コンベヤベルトの販売が増加した。
 ◆ニッタ
 ニッタの2022年3月期第3四半期は、売上高は621億6800万円(前年同期は570億300万円)、営業利益は43億8200万円で同110・6%増、経常利益は104億3800万円で同139・2%増、四半期純利益は84億6600万円と同148・5%増となった。
 ベルト・ゴム製品事業の売上高は192億6400万円(前年同期は196億8300万円)。なお、収益認識会計基準等の適用により、売上高は60億6000万円減少した。セグメント利益は27億3400万円で同83・3%増となった。ベルト製品は、国内では物流業界向けが好調に推移し、工作機械向けも回復傾向となった。海外は物流業界向けや繊維業界向けなどが好調だった。
 ◆三ツ星ベルト
 三ツ星ベルトの22年3月期第3四半期は売上高が556億7400万円で前年同期比17・6%増、営業利益は60億100万円で同72・2%増、経常利益は66億7300万円で同67・7%増、四半期純利益は47億4300万円で同73・4%増だった。
 国内ベルト事業の売上高は209億3200万円で同14・7%増、営業利益は59億6300万円で同74・3%増となった。国内ベルト事業は、前年同期と比較して主要顧客の経済活動が回復傾向にあることから、いずれの業界でも需要が回復した。
自動車用ベルトは、半導体不足による顧客の生産調整があったが、生産回復に伴い、組み込みライン用の売上高が増加するとともに、補修市場向けも増加した。
 一般産業用ベルトは、射出成形機やロボット業界向けの販売が好調に推移するとともに、農業機械向けも政府補助金の効果により売上高が増加した。搬送ベルトは食品業界や物流業界の回復に伴い、同市場向けの売上高が増加。合成樹脂素材の売上高も前年同期と比較して増加した。
 海外ベルト事業の売上高は267億9300万円で同25・0%増、営業利益は25億6900万円で同34・0%増となった。
 海外ベルト事業もアジアや欧米のいずれの地域で売上高が大きく回復した。自動車用ベルトは米国ではスノーモービルや多用途四輪車向けの販売が好調に推移し、四輪車用も補修市場の拡販により売上高が増加した。東南アジア・中国でも二輪車用の売上高は大幅に増加した。
 一般産業用ベルトは、アジアや欧州において補修市場の拡販により、売上高が増加した。また、OA機器用ベルトについてもユーザの生産回復に伴って増収となった。

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