タイヤ4社の21年12月期通期連結決算が出そろった。グローバルでタイヤ販売が伸長したことや、海外での値上げ実施や為替の影響なども追い風となり、ブリヂストンは純利益が過去最高、住友ゴムは売上収益が過去最高、横浜ゴムとTOYO TIREは売上と利益ともに過去最高を更新した。
◆ブリヂストン
売上収益は3兆2460億5700万円で前期比20・4%増、調整後営業利益は3943億4000万円で同90・1%増、営業利益は3767億9900万円で同503・0%増、当期利益は3078億6800万円(前年同期は197億9000万円の損失)となった。プレミアム領域を中心にグローバルでタイヤ販売が大きく伸長し、純利益は7期ぶりに過去最高。
調整後営業利益の増減要因は、売値が790億円、MIXが360億円、数量が1100億円、加工費が830億円、為替が200億円、その他が499億円の増益要因。一方、原材料が1000億円、営業費が790億円、南米通貨が120億円の減益要因となり1869億円の増益となった。
地域別では、日本の売上収益は8730億円で同12%増、調整後営業利益は1170億円で同29%増、米州は1兆4546億円で同25%増、調整後営業利益は1906億円で同74%増、欧州・ロシア・中近東・インド・アフリカの売上収益は6939億円で同26%増、調整後営業利益は421億円(前年同期は209億円の損失)、中国・アジア・大洋州の売上収益は3869億円で同20%増、調整後営業利益は420億円で同68%増。
◆住友ゴム工業
売上収益(IFRS)が9360億3900万円で前期比18・4%増、事業利益が519億7500万円で同19・8%増、営業利益は491億6900万円で同27・0%増、当期利益は294億7000万円で同30・4%増となった。売上収益は過去最高を達成した。
タイヤ事業の売上収益は7950億4500万円で同16・9%増、事業利益は413億9800万円で同1・1%増だった。事業利益の増減要因は価格が246億円、数量・構成他が82億円、直接原価が59億円、為替が49億円、スポーツが94億円の増益要因となったが、原材料が370億円、固定費が51億円、経費が11億円、産業品他が12億円の減益要因となり、計86億円の増益となった。
◆横浜ゴム
売上収益は6708億900万円で前期比21・7%増、事業利益は621億6200万円で同73・3%増、営業利益は836億3600万円で同132・4%増、当期利益は655億円で同148・9%増。北米を中心に値上げの浸透、為替が円安に推移したことが寄与し売上、各利益共に過去最高を更新した。
タイヤ事業の売上収益は4702億300万円で同17・8%増、事業利益は426億8600万円で同78%増。事業利益の増減要因は原料価格が161億円、固定費が5億円、変動費が158億円が減益要因となったが、為替差が44億円、販売量が202億円、製造原価が65億円、価格/MIXが187億円、特殊要因が12億円、ATGで59億円、MBで9億円、その他8億円が増益要因となり、263億円の増益。
◆TOYO TIRE
売上高は3936億4700万円で前期比14・5%増、営業利益は530億8000万円で同546・1%増、経常利益は559億900万円で同81%増、当期純利益は同413億5000万円で同254%増。純利益は北米でのタイヤ販売が大きな牽引役となり、過去最高を更新した。タイヤ事業の売上高は3546億4100万円で同15・7%増、営業利益は550億8900万円で同43・7%増だった。営業利益の増減要因では、販管費の42億円、原材料190億円、海上運賃高騰影響で103億円が減益要因となったが、販売要因の361億円、製造コストで89億円、為替で52億円が増益要因となり、168億円の増益。
2022年02月22日