ポリプラスチックスは1月28日、中国江蘇省南通経済開発区南区において新たにポリアセタール(POM、製品名ジュラコン)の製造設備を建設することを決定した。
現在、同社グループは富士工場、高雄工場、クアンタン工場、南通工場の世界4ヶ所にポリアセタールの生産拠点を持ち、年間29万tの供給能力を有している。このうち中国の南通経済開発区の方針により、2021年3月に同北区にある化学工業企業の操業停止要請が出されたため、PTM Engineering Plastics(Nantong)が保有する南通工場の代替能力の準備を急ぎ進めてきた。
新会社における生産能力は、2段階で合計15万tを予定している。先行して実施する2024年11月の9万tの操業により前述の既存設備の操業停止による影響をカバーするとともに、最終的には15万tの供給能力を予定している。
同社グループは、今回の投資により、世界的に旺盛なPOM需要を持つ中国に対して、高雄工場及び今回の中国本土の新規製造拠点から自社の持つ中国国内需要をカバーする体制を整え、リードタイム・輸送コストの削減等の改善を図り、顧客ニーズに応えていく。また、その他の既存設備については、2012年以降市場開拓を進めている欧米やASEAN他の新市場への供給能力として確保し更なるグローバル展開を加速させていく。
ポリアセタールは、機械特性、摺動性、成形性に優れたエンジニアリングプラスチックとして、自動車部品、OA機器や家電製品の部品の他、ファスナーやバックルなどの日用品にまで幅広い産業分野で使用されている。前回のマレーシアでの増設(2014年9万t)以降も、世界の経済成長と共に市場は順調に拡大してきた。
同社は、これまでに培ってきた技術を導入し、品質はもちろんのこと、ポリアセタール生産設備として世界最高レベルの省エネルギー化を実現しており、今後もサステナブルな社会の実現に向けて、各種環境配慮型原燃料へのアプローチなど研究課題に全社を挙げて取り組んでいくとしている。