難燃性規格で不適切対応 東レ、一部樹脂製品認証で 

2022年02月02日

ゴムタイムス社

 東レは1月31日、一部樹脂製品で世界的な第三者安全科学機関であるUnderwriters Laboratories(UL)の認証登録に関する不適切な対応を行った品種を販売していたことを発表した。不適切行為の内容は、樹脂の難燃性能を示すUL94の規格に関し、一部の品種でULが実施する認証試験で指定されたグレードと異なる試験用のサンプルを作成提出していた。また、認証登録された品種の一部で、登録時の組成と異なるものを製造・販売した。
 ABS樹脂「トヨラック」、ナイロン樹脂「アミラン」、PBT樹脂「トレコン」、PPS樹脂「トレリナ」、LCP樹脂「シベラス」、PLA樹脂「エコディア」の中で、一部に不適切行為が確認されている。第三者評価機関による検証含め弊社で難燃性を再評価しているが、製品の登録品種によっては難燃性能がULの安全規格要求に達しておらず、今後改めてULの適正な手続きに従った対応が必要とした。
 同社では、難燃性が登録基準に達していない製品について1月初めから顧客に事情を説明している。なお、不適切行為があった製品群は、第三者評価機関などにより性能の検証を進め、結果が判明したものから随時、今回の件を受け設営した同社樹脂製品ウェブサイト内の特設ページで公表、個別にも相談するとした。
 本件の発覚を受け、同社では1月31日付で有識者調査委員会の設置を決定。さらなる徹底的な調査と原因究明を行うともに、あらためて同社グループ全体にわたるUL認証に関する調査を行い、同様の案件の有無についても確認していく。

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