積水化成品工業の22年3月期第3四半期連結決算は、売上高が883億4500万円、営業利益は6億3700万円で同45・5%減、経常利益は7億2800万円で同32・6%減、四半期純損失は61億5000万円となった。
なお、「収益認識に関する会計基準」等を第1四半期連結会計期間の期首から適用しており、当第3四半期連結累計期間の売上高は、適用前に比べて96億3900万円減少しているが利益への影響はない。
セグメント別では、生活分野の売上高が376億2400万円、セグメント利益は26億1400万円で同7・7%減。食品容器関連は、新型コロナウイルス感染症の影響でインバウンド需要は依然として減少が継続、外出自粛傾向が徐々に薄まりをみせるが、内中食関連向けは昨年からの需要を維持している。農産関連では、期初は堅調な出荷も、長雨などによる天候不良の影響を受け前年並みとなり、水産関連では、依然、外食産業低迷の影響により低調な出荷となった。また、土木関連では、道路冠水対策や雨水処理用途で採用されている「アクアロード」や下水道工事などで採用されている「FJリング」で物件獲得が進んだ。主力製品である「エスレンシート」(発泡ポリスチレンシート)の売上数量は、巣ごもり需要が継続し、テイクアウト容器用途の需要も獲得したが、スーパーなど生鮮食品用途などにやや落ち着きがみられ、全体としては好調であった前年同期より減少した。
工業分野の売上高が507億2000万円、セグメント損失は16億1000万円(同11億300万円の損失)となった。自動車関連では、部品梱包材用途が電動部品関連で販売が伸長したものの、自動車部材用途が半導体不足に加え、本感染症拡大に伴う部品調達遅延による自動車メーカーの減産の影響を受け、「ピオセラン」(ポリスチレン・ポリオレフィン複合樹脂発泡体)の販売は伸び悩んだ。また欧州においてはProseatグループは、主力商品の自動車関連部材に用いる原材料の昨年からの価格高騰の影響と半導体不足などサプライチェーンの混乱により欧州自動車メーカーからの大幅な受注減少の影響を受け、業績回復に遅れが生じた。家電・IT関連では、パネル搬送資材・梱包材用途での「ピオセラン」は、液晶パネルの需要が伸長し、堅調に推移した。「テクポリマー」(有機微粒子ポリマー)は液晶パネル等の光拡散用途として、在宅勤務等によるPC・モニターの需要増などで、売上堅調を維持している。
22年3月期通期予想は、売上高は1160億円、営業利益は7億円で同66・5%減、経常利益は5億円で同74・4%減、当期純損失は66億円を見込んでいる。