クロロクレゾールの生産能増 ランクセス 消毒剤需要に対応

2022年02月07日

ゴムタイムス社

 ランクセスは2月4日、消毒剤および工業用保存剤に対する継続的な高い需要に対応し、ドイツのクレフェルト・ユルディンゲン拠点における微生物制御用の有効成分「プリベントールCMK(クロロクレゾール)」の生産能力を約50%増強すると発表した。同社は生産能力増強に対して数百万ユーロを投資し、2022年の第1四半期に完了する見込み。

 同社では、「プリベントールCMK」を消毒剤や保存剤の有効成分として販売しており、また、同社が「プリベントール」および「ビルコン」ブランドで販売している防カビ剤や消毒剤製品にも使用している。用途として急速に増加している分野は動物・人間向けの消毒剤で、近年、アフリカ豚熱、鳥インフルエンザ、そして新型コロナウイルスのパンデミックにより、需要が著しく増大している。

 農業事業分野では、「プリベントールCMK」をベースとした消毒剤が畜産において病気の蔓延抑制に有用であり、抗生物質の削減にも貢献している。人口増加や食肉消費量の増大によってバイオセキュリティの重要性が世界的に高まっており、消毒剤に対する需要が継続的に増加している。人間のヘルスケアに関する分野では、例えば病院で「プリベントールCMK」をベースとした消毒剤が使用されているが、家庭用製品での利用も可能となる。

 同社は世界最大のクロロクレゾール生産企業であり、欧州バイオサイド製品規則(BPR)や米国環境保護庁(EPA)など、あらゆる主要なバイオサイド製剤市場での有効成分に関する規制への対応サポートを提供している。

 同社は、工業用保存剤の分野でも大幅な市場成長を予測している。同社のCMKベースのプリベントール製品は、カビ、細菌、酵母に対する非常に幅広く安定した効力スペクトルを備えており、微生物学的に高度に汚染された対象物であっても効果を発揮する。そのため、特に皮革用保存剤や建築用など、非常に多くの用途に適している。

 CMKベースのプリベントール製品は、建築業界においてはホルムアルデヒドを含む製品の代替品として使用可能となる。また皮革業界では、持続可能性や毒性の観点から、高い技術的要件と、高まる業界標準の両方を満たす製品となっている。

 

プリベントールCMKの生産能力を約50%増強

プリベントールCMKの生産能力を約50%増強

農業事業分野では抗生物質の削減にも貢献

農業事業分野では抗生物質の削減にも貢献

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