「中小にしかできない技術(こと)がある」をテーマに、東京都葛飾区と近隣地域の優れた「町工場」の技術・製品を展示する「第8回町工場見本市2022」が2月3~4日、東京国際フォーラムホールで開催された。ゴム関連企業からは「第15回(令和3年度)葛飾町工場物語認定製品」に認定されたタグチゴムを始め、精工パッキング、杉野ゴム化学工業所、明司ゴムがブースを構え、優れた技術力を訴求した。
◆タグチゴム
長年、玩具業界の部品製造で培ってきた技術力を生かし、さまざまな業界へフィールドを広げているタグチゴム。ブースでは同社が製造する玩具関連のタイヤをはじめ、ペット向けのゴム部品を展示したほか、シリコーンゴム製のコースタを配布した。「葛飾町工場物語認定製品」に認定されたのは「ゴム部品の配合、金型設計、製造技術」が評価されたもの。同社は単独での展示会出展が今回初めてになるが「図面をもって直接ブースに訪れてくださる方もおり、今後のビジネスにつながりそうな良い機会になった」(田口郁男常務取締役)と笑顔を見せていた。
◆精工パッキング
ビクトリア型の平板打抜加工を手掛ける同社は、同加工技術を活用し製品化した世界一細い輪ゴムの「かつしか極細輪ゴム」やマスクの形状記憶芯材の「りっぷるん」小物入れの「ポレット」などをPRした。りっぷるんはマスク内側の中央部分にりっぷるんを貼るだけで呼吸をしたときに口にマスクがつく嫌な感じを解決する新商品。これらアイデア商品は平井秀明社長自らSNSでアピールし技術力の高さをPRしている。
◆杉野ゴム化学工業所
法人・個人の顧客に向け独自技術を用いた高性能ゴム製品を開発・製造・販売する同社ブースでは、シリコーンゴム製のランプシェイドやペットボトルのふたなどを展示販売した。杉野行雄社長は期間中の3日に葛飾ブランド15周年の節目として開催された基調講演、4日に「シリコーンゴム『ラバー君』によるゴム製品への展開と未来のゴムについて」と題するセミナーを行った。
◆明司ゴム
同社は、シールメーカーとして自動車用パッキンやOリングなど工業用ゴム製品の製造を手がけ、今年で創立50周年を迎えた。同社にとって展示会出展が初めてになるという。その理由について武田誠司取締役は「新型コロナウィルス感染拡大の折、新しい営業先の開拓が難しくなってきたことが大きい」と語る。ブースでは、営業スタッフがシリコーンゴムやNBR、EPDM、フッ素ゴムなど多様なゴム材質にも対応できる上、ゴム業界で随一小径なOリングを生産できる点などをアピールした。なお、同社は22年1月より本社をこれまでの東京葛飾区から東京都千代田区東神田に移転し、さらなる業容拡大を目指している。