デンカの22年3月期第3四半期連結決算は、売上高が2839億7700万円と前年同期比8・4%増、営業利益は321億8100万円で同14・8%増、経常利益は300億9700万円で同10・2%増、四半期純利益は229億1100万円で同21・3%増となり、売上利益とも第3四半期連結累計で過去最高となった。
セグメント別では、エラストマー・インフラソリューション部門は売上高は775億3300万円で同16・4%増、営業利益は11億6400万円の損失(前年同期は20億7900万円の損失)となった。製品ではクロロプレンゴムの販売は、世界経済回復とともに産業用途などの関連産業向けの需要が増加に転じ前年を上回ったが、米国の子会社はハリケーン「アイダ」による上流サプライチェーンの混乱があり、生産停止など影響を受けた。
電子・先端プロダクツ製品は661億6000万円で同16・8%増、営業利益は137億9400万円で同35・0%増となった。
製品では、球状アルミナや高純度導電性カーボンブラックはXEV関連を中心に販売が伸長。電子部品・半導体関連分野向け高機能フィルムや球状溶融シリカフィラーは5G関連やデータセンターなどの世界的な需要の拡大により好調に推移した。 ポリマーソリューション部門の売上高は927億1700万円で同17・9%増、営業利益は62億6700万円で同16.2%増。ABS樹脂、デンカシンガポール社のMS樹脂やスチレンモノマーの販売は堅調に推移した。
ライフイノベーション部門の売上高は361億5700万円で同1・2%減となり、営業利益は119億3900万円で同13・6%減となった。 22年3月期通期業績予想は売上・利益とも下方修正した。通期売上高は3850億円(前回発表予想から100億円減)で前期比8・6%増、営業利益は400億円(同40億円減)で同15・2%増、経常利益は360億円(同40億円減)で同12・0%増、当期純利益は260億円で同14・1%増を見込んでいる。
主な修正理由としては米国子会社でハリケーンによる操業停止からの立ち上げが想定に比べて遅れたことに加え、新型コロナウイルス抗原迅速診断キットは販売数量は増加するものの、昨年末の保険点数引下げに伴い価格が下落する見通し。このほか一部製品の需要減も見込まれるとした。
2022年02月07日